「もちろん祝典への参加は口実だ」
「口実って、じゃあ、本当の目的は何なのよ」
「王太子妃候補として宮中の暮らしに慣れるため、一刻も早く宮殿に来るようにと」
しばらく頭の中で吟味してから、リディアはそれの意味するところがひとつしかないと、結論づける。
「あ、あた……あたしに王太子さまと結婚しろっていうの!?」
亡くなった母の実家が実は公爵家だったということで、貧乏な暮らしから一転、豪華な暮らしをすることになって戸惑いながらも、前を向き続ける元気ハツラツな少女リディアのお話の第三弾。今回は社交界デビューをしたら、王太子に見初められて、夏休みを王宮ですごすことになり……というお話。
今回はキュンキュンきたなー。社交界デビュー時のリディアの様子をハラハラしながら見てるスレイドルと、踊りに誘ってくれなかったスレイドルだけど、別の人と踊ってたわけではないことを知ってホッとするリディアとか、もう、ニヤニヤしまくり。
しかも、隣国ハイゼルの王の末娘にして、スレイの婚約者のルシーナが登場して、一方のリディアの方は、舞踏会でエウリース王太子に見初められて、しばらくの間、王宮で過ごすことになってしまうんだから、どちらも落ち着かない気持ちが見えてきて。
普段から強気な態度を見せてる二人が、ふと遠くを見つめるように、同じ家に住んでいたころを懐かしむようなシーンが、たまりませんね。これだけで転げまわれる。
ま、そんなリディアたちの思いを、周囲にいる貴族たちは理解してないので、王宮にいるってだけで、羨望やら嫉妬やらで囲まれてしまうところは、彼女にとって災難極まりないですけど、毒入りのバラや石のお菓子など、ちょっとした嫌がらせが続いてくると、そりゃリディアは動くよなあ。
スレイからしたら、ほんと心臓に悪い子だと思うけど、行方不明になったリディアを追っているときに、王家の秘密を知ってしまったときは、さすがに心が揺れ動いたろうなあ。普段だったら躊躇するであろうエウリースの命令に、思わず従ってしまったのは、同様があったからじゃないかしら。
おかげで、リディアの芯の強さを感じることができましたが、同時に弱さも見えましたね。その弱さを見せるのは、スレイの前でだけだというところがすっごい良くて。悲しいとき、目の前にあった広い胸は、どれほど心に平和をもたらせてくれたか。想像するだけで、じんわり。
いやあ、面白かった!個人的には二巻目よりも良かったです。
ようやく自分の思いに気づき始めたリディアですが、スレイはどうなんだろうなあ。王太子に遠慮しちゃったりするのかどうかわかりませんが、ここはぜひとも前に出てきてほしいところです。
今回もいいところでアシストしてくれた猫のフィオよ。スレイのフォローをしてあげておくれ。
ソフィアの宝石 -乙女は、彼に誘われる-
渡海 奈穂
関連エントリー
[渡海奈穂]
[ソフィアの宝石感想一覧]
[B's-LOG文庫]
[ライトノベル]
Home > ライトノベル > [渡海奈穂] ソフィアの宝石 ―乙女は、彼に誘われる―
Trackback:0
- TrackBack URL for this entry
- http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/2475
- Listed below are links to weblogs that reference
- [渡海奈穂] ソフィアの宝石 ―乙女は、彼に誘われる― from booklines.net







