Home > ライトノベル > [櫂末高彰] 学校の階段 8

[櫂末高彰] 学校の階段 8

「念のため、今度のレースについて、もう一度確認しておきましょうか」
不意に、波佐間の声がした。
「今度のレースは、十二月二二日。終業式の日ですね。場所は僕ら山上の校内。三対三の団体戦で、三枝さんと浅沢が一回戦。九重さんと寺城さんが二回戦で、神庭君と僕が三回戦。全てラリー勝負ということで良いですか?」

学校の階段を疾走する階段部のお話の第八弾。今回は、生徒会選挙も終わり、ついに天栗浜高校と山上桔梗院学園の階段レース勝負が始まるお話です。

頑張るなあ、神庭幸宏。生徒会役員のうち、男が幸宏と筋肉さんしかいないという中、普通に考えたら無謀な計画を発動させちゃって、女の恐ろしさを知らされたかと思ったら、突き進むんですから、たいしたものです。まあ、孤立無援になるのかと思ったら、意外にも御神楽さんが、目立たぬよう手助けしてくれてたってのが大きかったと思うけど。

御神楽さんのみならず、どこの乙女だよとか言いたくなる井筒の陰からの支えがあったのも大きいだろうなあ。っていうか、御神楽さんが、井筒が生徒会室に入ってないって話をするまでは、本気で井筒×神庭な世界を想像してたから危なかった。って、余談過ぎる。
余談といえば、役員会議で、女性陣に囲まれた筋肉さんが、震えてるところに大爆笑。

という具合に、生徒会方面は大変だけど頑張ってるなあという感じでしたけど、個人的にはそっちはわりとどうでもよくて、気になるのは、階段レース話。レースに向けて、地道に勝算を固めていく波佐間の姿は、とてもスポーツマンらしさを感じたんだけど、顔で笑いながら心に暗いものを隠してることが見えてくるあたりで、ひょっとしたら、逃避に近いものがあるのかなと感じてきて、なんともやるせない気分になりました。
悩むことがあっても突き進む神庭とは、違ってるようで、でも似てるような、なんか不思議な関係だなあ。

身体的能力差は否めず、ではどうやって戦っていくかを悩む神庭でしたが、忙しい生徒会方面では御神楽さんが、戦術方面では、階段部のメンバーがと、みなの支えがあったからこそ、自信を持って戦うというところまでたどり着けたあたりが、個人的にはすごく良かったです。
結局のところ、周囲の人と協力し合ってきた神庭と、周囲を拒絶し一人で戦ってきた波佐間というあたりが、勝負を分けたんでしょうね。

いやあ、面白かった。ここ数巻は、階段レースがなくても面白かったというか、むしろ無くていいよねと思ってましたが、今回は、階段レース方面が、熱かったです。

最後に聖夜のパーティで、神庭がいろんな女の子からアプローチを受けてるところに、ニヤニヤしちゃいましたが、まさかあんなオチが待ってるとは思わなかったなあ。もし、あれが無かったら、いったい神庭は誰を選んだんだろう?
とても気になります。

学校の階段8 (ファミ通文庫 (か8-1-8)) - 櫂末 高彰

学校の階段8 (ファミ通文庫 (か8-1-8))
櫂末 高彰

エンターブレイン(文庫)
Amazon | bk1


関連エントリー
[櫂末高彰] [学校の階段シリーズ感想一覧] [ファミ通文庫] [ライトノベル]

Home > ライトノベル > [櫂末高彰] 学校の階段 8

Trackback:1

TrackBack URL for this entry
http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/2343
Listed below are links to weblogs that reference
[櫂末高彰] 学校の階段 8 from booklines.net
学校の階段(8) from Alles ist im Wandel 2008-04-01 (火) 02:36
学校の階段8 (ファミ通文庫 (か8-1-8))櫂末 高彰 甘福 あまね エンターブレイン 2008-03-29売り上げランキング : 847Amazo...

Comment:0

Comment Form
Remember personal info

Home > ライトノベル > [櫂末高彰] 学校の階段 8

Search
お気に入り

異形の王子と毒を吐く少女の恋の物語

4048700588

他人を寄せつけぬ毒を載せた言葉を吐いていた少女が、王子と伝承と出会ったことで、信じる思いを紡ぐようになる、その祈るような思いに涙しました。懐かしき人たちとの再会もまた素敵。→感想


それは血の繋がらない家族の物語。

4048700480

大きな山や谷があるようなお話しではないんだけれど、クセのある七人のきょうだいが共に暮らすその家には、じんわり温かい家庭がありました。それぞれ抱えているものはあるけれど、この家族ならきっと支え合いながら乗り越えてくれると信じてる→感想


それは「夢利き」が語る人の夢の物語。

夢の上(1) 翠輝晶・蒼輝晶 多崎礼

最高傑作級!辛くとも好きな人と共に歩める幸せ、あるいは人の夢に乗る幸せと切なさ。独立しながら、リンクする物語は、温かさに、人を想う気持ちに満ちあふれて、胸が熱くなる。人が人と出会うことの素晴らしさは、時に眩しくもあり、切なくもなるんだなと思いました。→感想


江戸時代。新たな暦を作る偉業を成し遂げた渋川春海の物語。

天地明察

最高傑作!碁打ちであり、算術家でもある男が、打ちのめされ挫折して挫折して挫折して、でも夢を忘れられず、立ち向かう姿に、どれほど興奮させられたか、泣かされたことか!さりげなく描かれる恋も素晴らしく、読み終わりたくないとこれほど思った作品はありません。 → 感想


左遷された北嶺で隠居生活を堪能しようとした史官ヤエトの前に、皇女が太守としてやってくるお話。

翼の帰る処 上 (1) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-1)翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)

中間管理職的苦労に悩まされるヤエトの姿がとても楽しいですが、それだけじゃなく、北嶺と帝国の歴史的秘密が見えてくる展開に興味を惹かれること請け合い!超オススメです!→上巻感想 / 下巻感想


普通の社会人であるこかげが、異世界の騒動に巻き込まれるお話。

wonder wonderful 上wonder wonderful 下

やさしさで涙する物語でした。あ、もう最高!王宮話やら恋愛要素やらも非常に楽しく、読み進めるにつれてゴロゴロ転がりまわりたくなること必至です!今年一番のオススメ!→感想 上/ 感想 下

なかのひと

Page Top