「今度、入団試験を行うことにした」
「……は?」
目をぱちくりさせている九人を置き去りにしたまま、レフレンシアは話を続けていく。
「その試験では、君たち遊撃小隊を担当官として働いてもらいたいんだ」
女性のみで構成される伝統と格式ある「白兎騎士団」に、入隊した新人たちの成長を描くシリーズの第六弾。今回は、臨時で実施する入団試験の試験担当者に、入団して半年しかたっていないガブリエラたち遊撃小隊が指名されて、というお話。
これはまた面白くなってきたなあ。団員の補強をしたいが、先日の事件が事件なだけに、スポンサーの心情を汲まないといけないってことで、試行錯誤しながら、話をするめる団長レフレンシアの苦労が伝わってきます。っていうか、幹部連中みな苦労しているか。
いつの間にか、いじられ役となったガブリエラが、いろんな幹部からいじいじされてましたけど、ある意味鬱憤晴らしであり、でも彼女に一目置いてるのが伝わってきて、なるほど、こういうところから、彼女は上り詰めていったんだなと思った次第。
で、入団試験。
担当をガブリエラたちが任されるってことで、どんな突拍子もないことをやってくれるんだろうと思ったけど、まさか、逆に入団希望者側で突拍子もないことが起こるとは思わなかった。なんせ、例の事件で「大物殺し」とまで呼ばれる団員が、騎士団にいるということを嗅ぎつけたオケィアノスのスパイ・アスカが、情報収集の一環として、入団テストを受けにいっちゃうんですから。
途中でさよならするつもりだった本人の思惑とは裏腹に、グループを組んだ仲間からお姉さん呼ばわりされるとほうっておけず、気づけば、試験監からの覚えが良くなっていくところが、お約束だけど楽しいです。しかも、ガブリエラのお株を奪うような奇抜な発想を見せてくれるから、面白い。
団員たちも思ってたみたいだけど、ガブリエラとアスカでコンビを組ませたら、すっごい楽しくなるだろうなあ。
いやあ、面白かった。今回は大きな戦いとかなく、ほとんどが入団試験の話だけでしたけど十分楽しかったし、後ろのほうで大きな動きもある中、意外な人の意外な動きのおかげで、先が読めそうで読めない展開になってきて、ああ、続きが気になる!
あとがきによると、今までは個人に焦点を当てていたけれど、これからはガブリエラ戦役になっていくとのことなので(ようやく!)、すっごい楽しみです。
鋼鉄の白兎騎士団VI
舞阪 洸
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