世界の成り立ちをも変革しようとする境界理論。すべてを手に出来るという理論に取り付かれた者たちは、人体実験を禁忌と思わない。そんな輩を潰すのが、警視庁公安部第零課だった。特殊起動捜査員は、すべて境界理論の実験被害者である子供たちばかり。
ある日、任務をこなして帰宅しようとした芙弓とエミルは、行き倒れていた青年レイを助けたが、彼もまた人体実験の被害者であり、仲間を救ってほしいと言い出して……
警視庁公安部第零課に勤める人あらざる力を持った少年・少女たちが、超理論に取り付かれた研究者たちを葬り去るお話です。
うーん、なんともいえないお話だったなあ。いや、オーソドックスではありますが、普通に面白いお話だとは思いました。でも、ぜんぜん、ノレなかったです。どうにもキャラクタに惹かれないので……贔屓キャラがひとりもできないなんて珍しい。
体内に悪魔を抱え狂気のハザマにいきる少年、天使のような優しさを持ちながら苦痛が快楽となってしまう少女、命令されなければ動けぬ美少女、姿や気配を完全に消し、自らの肉体の傷を「なかったこと」に出来る少年などなど、非常に特徴のある少年・少女が出てくるのに、どこか軽いというか、薄いというか……、あまり印象に残らないんですよね。
人体実験を受けた過去があり、誰もが心に傷を負っているのに、それがあまり感じられなかったのが、好みじゃなかったのかもしれません。
見えそうで見えない人間関係にも、もどかしさよりも、引き伸ばし感を受けちゃって、後半に行くまでが、ちょっと退屈でしたが、そのあたりが見えてくると、楽しめました。
口も態度も悪ぶる割りに、仲間を救うためなら、傷ついても倒れようとしない芙弓の姿は、印象に残りましたが、それでもくるものを感じ取れなかったってことは、僕には合わなかったってことなんだろうなあ。
「世界を変える」という設定は、面白そうなものがあっただけに、残念。
第9回えんため大賞優秀賞受賞作。
Chaos Kaoz Discaos
小野 正道
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