Home > ライトノベル > [萩原麻里] 黒耀姫君 ―はじまりのゆき―

[萩原麻里] 黒耀姫君 ―はじまりのゆき―

いくつもの小国家軍の争いに終止符を打って、全国統治をした「帝国」の皇帝が、ミゼラン諸島の辺境の村で開かれる祭りにやってくると言う。兄同然として育ったシオンのことを気にしている友人ウィリデのために一肌脱いだミケェヌは、占い師として評判高い育ての親ニゲラの忠告どおり、祭りには参加せず、家で休むことにしていた。だが、ちょっとした偶然から、皇帝を暗殺しようとする集団の話を聞いてしまい……

かつて神々が暮らしていたとされるミゼラン島の辺境の村で、占い師のニゲラによって、シオンと共に育てられた少女ミケェヌが、「運命の日」から「帝国」の手のものに追われることになるお話です。

暗殺計画を練っていたものから追われていたかと思ったら、今度は帝国に追われることになってと、そっちにいったらやばいと思う方向にどんどん進んでいくので、序盤はピンチの連続でドキドキ。

何で追われているのか、事情を知ってるであろう兄のような存在であるシオンが、なかなか明かしてくれなかったせいか、サスペンス度がさほど高くなかったのは、ちょっと残念ですが、唯一の友人であるウィリデとのじゃれ合いっぷりが、とても微笑ましいだけに、運命の導きとも言うべき展開で、平和な時が終わってしまったのは、哀しいものがあります。

とまあ、サスペンス要素はさておき、個人的には恋愛要素がたまりません。大切なミケェヌを護るべく行動するシオンには、家族以上の思いが見えてましたが、逃亡劇が始まってからは、より積極的になっちゃって、逃走話よりもドキドキしましたよ。側にいてくれる安心感から生まれる距離が、近づいてくるにつれて戸惑うミケェヌの様子ににんまり。

展開としては、先に書いたとおり、追われる理由等が見えないため、始めはもどかしいものがあったんですが、後半に入って、事情が見えてきてから、俄然面白くなってきました。
ミケェヌの失った幼い頃の記憶と御伽噺が繋がってきて、言霊を目の当たりにするところには、彼女の力の大きさを感じさせてくれますが、それだけじゃ説明できないところもあるし、まだまだ不明なところが多いですが、萩原さんらしい日本神話っぽいものが、どうやって生かされてくるのか興味津々。

思い違いから、敵の策略にハマっていくラストや、例の人の素性がうっすら見えてきたところには、先行きの不安を大いに実感させてくれますが、まだまだ物語は始まったばかりって感じなので、これからが楽しみですね。

黒耀姫君 -はじまりのゆき- (ビーズログ文庫 は 2-1) - 萩原 麻里

黒耀姫君 -はじまりのゆき-
萩原 麻里

エンターブレイン(文庫)
Amazon | bk1


関連エントリー
[萩原麻里] [B's-LOG文庫] [ライトノベル]

Home > ライトノベル > [萩原麻里] 黒耀姫君 ―はじまりのゆき―

Trackback:0

TrackBack URL for this entry
http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/2133
Listed below are links to weblogs that reference
[萩原麻里] 黒耀姫君 ―はじまりのゆき― from booklines.net

Comment:0

Comment Form
Remember personal info

Home > ライトノベル > [萩原麻里] 黒耀姫君 ―はじまりのゆき―

Search
お気に入り

異形の王子と毒を吐く少女の恋の物語

4048700588

他人を寄せつけぬ毒を載せた言葉を吐いていた少女が、王子と伝承と出会ったことで、信じる思いを紡ぐようになる、その祈るような思いに涙しました。懐かしき人たちとの再会もまた素敵。→感想


それは血の繋がらない家族の物語。

4048700480

大きな山や谷があるようなお話しではないんだけれど、クセのある七人のきょうだいが共に暮らすその家には、じんわり温かい家庭がありました。それぞれ抱えているものはあるけれど、この家族ならきっと支え合いながら乗り越えてくれると信じてる→感想


それは「夢利き」が語る人の夢の物語。

夢の上(1) 翠輝晶・蒼輝晶 多崎礼

最高傑作級!辛くとも好きな人と共に歩める幸せ、あるいは人の夢に乗る幸せと切なさ。独立しながら、リンクする物語は、温かさに、人を想う気持ちに満ちあふれて、胸が熱くなる。人が人と出会うことの素晴らしさは、時に眩しくもあり、切なくもなるんだなと思いました。→感想


江戸時代。新たな暦を作る偉業を成し遂げた渋川春海の物語。

天地明察

最高傑作!碁打ちであり、算術家でもある男が、打ちのめされ挫折して挫折して挫折して、でも夢を忘れられず、立ち向かう姿に、どれほど興奮させられたか、泣かされたことか!さりげなく描かれる恋も素晴らしく、読み終わりたくないとこれほど思った作品はありません。 → 感想


左遷された北嶺で隠居生活を堪能しようとした史官ヤエトの前に、皇女が太守としてやってくるお話。

翼の帰る処 上 (1) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-1)翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)

中間管理職的苦労に悩まされるヤエトの姿がとても楽しいですが、それだけじゃなく、北嶺と帝国の歴史的秘密が見えてくる展開に興味を惹かれること請け合い!超オススメです!→上巻感想 / 下巻感想


普通の社会人であるこかげが、異世界の騒動に巻き込まれるお話。

wonder wonderful 上wonder wonderful 下

やさしさで涙する物語でした。あ、もう最高!王宮話やら恋愛要素やらも非常に楽しく、読み進めるにつれてゴロゴロ転がりまわりたくなること必至です!今年一番のオススメ!→感想 上/ 感想 下

なかのひと

Page Top