いくつもの小国家軍の争いに終止符を打って、全国統治をした「帝国」の皇帝が、ミゼラン諸島の辺境の村で開かれる祭りにやってくると言う。兄同然として育ったシオンのことを気にしている友人ウィリデのために一肌脱いだミケェヌは、占い師として評判高い育ての親ニゲラの忠告どおり、祭りには参加せず、家で休むことにしていた。だが、ちょっとした偶然から、皇帝を暗殺しようとする集団の話を聞いてしまい……
かつて神々が暮らしていたとされるミゼラン島の辺境の村で、占い師のニゲラによって、シオンと共に育てられた少女ミケェヌが、「運命の日」から「帝国」の手のものに追われることになるお話です。
暗殺計画を練っていたものから追われていたかと思ったら、今度は帝国に追われることになってと、そっちにいったらやばいと思う方向にどんどん進んでいくので、序盤はピンチの連続でドキドキ。
何で追われているのか、事情を知ってるであろう兄のような存在であるシオンが、なかなか明かしてくれなかったせいか、サスペンス度がさほど高くなかったのは、ちょっと残念ですが、唯一の友人であるウィリデとのじゃれ合いっぷりが、とても微笑ましいだけに、運命の導きとも言うべき展開で、平和な時が終わってしまったのは、哀しいものがあります。
とまあ、サスペンス要素はさておき、個人的には恋愛要素がたまりません。大切なミケェヌを護るべく行動するシオンには、家族以上の思いが見えてましたが、逃亡劇が始まってからは、より積極的になっちゃって、逃走話よりもドキドキしましたよ。側にいてくれる安心感から生まれる距離が、近づいてくるにつれて戸惑うミケェヌの様子ににんまり。
展開としては、先に書いたとおり、追われる理由等が見えないため、始めはもどかしいものがあったんですが、後半に入って、事情が見えてきてから、俄然面白くなってきました。
ミケェヌの失った幼い頃の記憶と御伽噺が繋がってきて、言霊を目の当たりにするところには、彼女の力の大きさを感じさせてくれますが、それだけじゃ説明できないところもあるし、まだまだ不明なところが多いですが、萩原さんらしい日本神話っぽいものが、どうやって生かされてくるのか興味津々。
思い違いから、敵の策略にハマっていくラストや、例の人の素性がうっすら見えてきたところには、先行きの不安を大いに実感させてくれますが、まだまだ物語は始まったばかりって感じなので、これからが楽しみですね。
黒耀姫君 -はじまりのゆき-
萩原 麻里
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