建国日を祝う感謝祭が開かれることになり、女学院の生徒は歌かお芝居をすることに。あまり気が進まないが、やるなら歌をと選んだリディアだが、合唱のメンバーの中には、リディアの生まれを知って侮蔑の表情を見せる人たちもいた。
いつものように気にせず練習をしていたが、どこか気苦労を重ねていたリディアは、ある日、友人のジルタニアスに、奇妙なサロンへ連れていかれて……
亡くなった母の実家が実は公爵家だったということで、貧乏な暮らしから一転、豪華な暮らしをすることになって戸惑いながらも、前を向き続ける元気ハツラツな少女リディアのお話の第二弾。今回は、感謝祭を巡っての学院内のゴタゴタ話と、貴族について疑問を思う貴族たちの集まりに、リディアが巻き込まれていくお話です。
いじめ……というほどでもないけど、リディアの生まれを当てこするように話しかけてくる貴族な面々がでてきましたが、肝心のリディアがぜんぜん気にしてないので、空回りしてるところが何ともユーモラス。むしろ「村にいたなんて可哀想」という善意の人たちの視線のほうが戸惑うところに、彼女の心境が出てますね。
貴族について考える人たちの場に参加したとき、リディアがどこか乗り気になれなかったのは、同じような印象を持ったからじゃないかしら。
とまあ、リディアの周辺でいろいろ動きがありましたが、それより何より面白いのは、リディアの恋話ですよね。いや、リディア自身はまだ恋と意識してないようですが、感謝祭に家族を誘うというただそれだけのことなのに、スレイドルをなかなか誘えないところに、複雑な思いを感じます。スレイドルがまた無愛想で言葉足らずだから、リディアの機嫌を損ねやすいんですが、不意に優しさを見せられて、思わず意識しちゃう乙女にニヤニヤです。
合唱方面でのゼルマによる当てつけは続いてましたが、まさかあそこまで思い切ったことを言い出してくるとは思わなかったなあ。まあ、自業自得ではあるんだけど、どんな状況に陥っても、最後まであきらめようとしないリディアの姿が格好いいったらないですね。スレイドルがいるという意識もあったんだろうけれど、公爵や家族が来てくれてるというのも、力になったんでしょうね。
歌の奇跡が感じられるシーンも良かったですが、それ以上にゼルマとの壁が取り払われたのが良かったです。ただ、貴族意識が生むものなので、今後もこういうことは続くんだろうなあ。
「力」の歌とメダイユのことで、彼女に目をつけた輩が出てきて不安いっぱいですが、何かあっても、きっとスレイドルが格好よく助けてくれるに違いない。このふたりは、なかなかに意地っ張りなので、そう簡単には進展しないかもしれませんが、いい具合にアシストしてくれてる猫がいてくれるので、今後も楽しみです。
ソフィアの宝石 -乙女は、謡う-
渡海 奈穂
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