古科学者の組織に、君の家が狙われている―百色の言葉に警戒心を強めたガーゴイルだが、その夜、ガーゴイルは初めて、吉永家に敵の侵入を許した。しかも、双葉が襲われて……気がつけば、双葉と同じ顔をした、身長十五センチにも満たない人形のような少女が現れた。何ひとつ記憶を持たず、ただ「見る」だけ、そして感覚を双葉と共有している少女に、警戒心を抱いていた吉永家だが、彼女の素直な態度に次第に警戒心を緩めて……
すばらしい。やっぱり吉永さん家には、家族のお話が似合います。
何ひとつ情報を持っていないとはいえ、敵の偵察としてやってきたのは明白なのに、パパやママが、妖精のピクシーに危機感を持たないところが、なんとも吉永家らしいなあ。この子に罪はないという思いがあるんだと思いますが、それ以上に、ガーゴイルがいるから大丈夫という信頼があるんでしょうね。
敵の侵入を許したことにショックを受けているガーゴイルでしたが、そんな彼に対する吉永家の信頼が、言葉の端々に伝わってきて、とても温かい気持ちになれます。
ガーゴイルのみならず、ピクシーと吉永家の間にも、素敵な空気が流れてましたね。何かにつけて興味津々となってるピクシーが可愛いですが、いろいろ問題を起こす or 起こしそうになるあたりに、二年前のガー君を思わせます。 その頃のことを思い浮かべながら、家族や町の人たちが、いろいろと世話をする素敵な空気は、ガーゴイルならでは、って感じですよね。
そんな生活をしていくうちに、ピクシーが今までにない感情を覚え始めていくんですが、吉永家にいることをうれしく思いながらも、自分は敵なんだからと、一歩引こうとするピクシーの心情がなんとも切ない。
似たようなことはガーゴイルも思ってたりするんですが(我はただの門番だ、とか)、そういった迷いをすべて吹き飛ばしたのが、ママの鉄拳だってところが素敵でした。暴力はいけないと思うけれど、家族が間違った方向へ進んだなら、体を張ってでも止めようとする姿に、そしてその思いに応えたガーゴイルと、ピクシーの思いに涙。
いやあ、面白かった。すばらしかった。これぞガーゴイル!でしたね。
じわじわさせられる場面は、それこそいくらでもありましたが、一番来たのは、自分と同じ顔のピクシーを嫌悪してた双葉が、最後にピクシーに投げかけた言葉かな。
「これから飽きるほど食えるぜ、ってことだよ」
照れながらも、しっかりと新しい家族を迎え入れる言葉に、涙を流さずにいられなかったです。
これほどまでに家族の絆を見せられたら、これから先、どんな敵が来ても、吉永家を切り崩すなんて無理なんじゃないかと思わされますが、悪党は悪党で、またいろいろ画策している模様なので、油断はできないか。
今回のように、ガーゴイルが力を発揮できず、かつ自分たちは発揮しまくるような策でくるのかどうかわかりませんが、今回のように素敵な絆を見せてくれたら嬉しいですね。
吉永さん家のガーゴイル 13 (13)
田口 仙年堂
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