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[ゆうきりん] 煙突町の赤魔と絶望少年

父親の左遷により、東京から名も知らぬような田舎町に引っ越すことになった愁太は、自分の境遇に腐っていた。なんで、友達と離れなきゃいけないのか。なんで、夢まで諦めなきゃいけないのか。
もはやすべてに絶望していた愁太は、転校先の中学校でも友人など作る気はさらさらなかったが、学級委員であるゴボウのような白銀と、そのゴボウにコバンザメのように引っ付いているゴスロリ眼帯少女の水鳥にちょっかいを出されて、三人で帰宅しているとき、そいつが現れて……

煙突やパイプが、まるで毛細血管のように入り乱れて、町すべてが工場といってもいい赤金煙町にやってきた紅愁太が、同級生となった白銀杏次、渡水鳥と共に、この町の都市伝説ともいえる「血錆び男」に遭遇して……というお話。

街の雰囲気がいいですねー。入り組んだパイプや煙突と、煙突から噴出す煙と炎によって、赤く染まっている空の情景が、さりげなく不気味さをかもし出してくれます。何ていうか、こう、町に一度入ったら出られないような、そんな雰囲気がありました。

町の人たちはあまり出てこないんですが、それでもどこか不気味さをかもし出してくれてて、友達なんぞを作るつもりもなかった愁太が、杏次や水鳥の手を取ったのは、相手の行動力のこともあるんだろうけれど、不安も抱えてたからなんじゃないかな。

東京と田舎の町での違いをまざまざと見せ付けられて、うんざりしながら、都市伝説話に会話がおよんで、血錆び男なる話を聞いた直後に、目の前に今話していたのと同じような男が現れるんだから、ドキドキもの。
男の刃と白い蜘蛛に襲われて……気づけば、五体満足だったのは、愁太同様、疑問でしたが、直前の話を知っていれば、夢なんて話じゃないのは、間違いなくて。

ここから、「血錆び男」と町中で騒がれている「腕もぎ事件」を、三人で調べていくうちに、見えてしまった事実は驚きでした。まさかそっちからくるとは思わなかった。ホラーテイストでありながら、それほど怖さを持ってきてはいないんだけど、いい具合にサスペンスでしたね。

いつしか友達というか、仲間となってきた三人ですが、愁太に大して、水鳥が何かとちょっかい出してるのは、ひょっとしたらひょっとしてと思わなくもないだけに、恋愛要素もありそうな感じがして、楽しみですね。微妙にアレな水鳥のお姉さんが、実は何か知ってるんじゃないかと思えなくもないところがあって、今後の動きが気になるところです。

絶望といいつつ、それほど重いものはありませんが、まだ町の様子ははっきりとわかってきてるわけじゃないので、このあたりをどう描いてくれるのか楽しみ。

煙突町の赤魔と絶望少年 (ファミ通文庫 ゆ 2-4-1) - ゆうき りん

煙突町の赤魔と絶望少年
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