Home > ライトノベル > [渡海奈穂] ソフィアの宝石 ―乙女は、降り立つ―

[渡海奈穂] ソフィアの宝石 ―乙女は、降り立つ―

両親を失って悲しみに打ちひしがれていたリディアは、母の親戚であるというシュバルク公爵の家に引き取られることになった。庶民には思いもよらない豪華な暮らしが待ち受けていたものの、田舎娘を野蛮だと決め付ける公爵の家族たちの態度は冷たく、自分で何かしようとすると、良家のお嬢様はそんなことをしてはいけないと言われる始末。窮屈に思ったリディアは、貴族の令嬢のみが通うとされる「フィーリス女学院」に通うことにしたが……

葉月さんさりさんsoundseaさんが、揃って褒めていたので手を伸ばしてみました。

亡くなった母の親戚が実は公爵家で、貧乏な暮らしから一転、豪華な暮らしをすることになったけれど、貴族の振る舞いに慣れることができず、さらに通うことになった学校で事件に巻き込まれて……という王道展開ですが、これは面白いですねぇ。真っ直ぐで、男前なきっぷの良さを見せてくれるリディアがとても魅力的で、そんな彼女が、貴族たち相手に、自分のやり方で、自分の居場所を作っていくところが、とてもいいです。

学校へ通ったところで、学ぶところよりも、サロン的雰囲気が強くて、どうにも馴染めないリディアだったんですが、そこでお友達ができたのは、彼女にとって大きなことだったでしょうね。気が小さくて、だからこそ、誰に対してもはっきりとした態度を取れるリディアに憧れて、というファリカとは、お互いにないものを補うかのような関係で、何気ないやり取りに微笑ましいものを感じさせられました。

そんなファリカの恋愛模様から、大きな騒動へと発展していくんですが、思わず、クーと嬉しくなっちゃうのは、友人のために無謀ともいえる行動をし始めるリディアを放って置けなくなる従兄のスレイドルの心境の変化ですね。リディアが公爵家に来たときは、貴族以外の者みたいな視線で見ていたのに、いつの間にやら、こんなに近くなってるんだもんなあ。スレイドルについては、最後のほうでも、照れくさくなるような描写があったりして、ニヤニヤさせられました。
そういえば、リディアは、弟のほうの従弟の親友とも、いい感じになっていたような。何気にハーレムなのかもしれない。このあたりの恋愛模様も見逃せませんね。

事件については、ひとまず一件落着ではありますが、動機やら、裏にいるものについてはまるで判明していないので、まだまだ話は発展しそう。王族に伝わるという「古き力」についても、一端しか見えてない気がするし。

ま、そんな薄暗い方面はおいといて、リディアに素敵な友人ができたことと、隔たりのあった家族と距離が縮んで、家族しはじめた雰囲気が流れ出したことが嬉しいですね。まだ従姉のレノーレや奥方のティルデとは距離がありますけど、これは後々ということなんでしょう。恋愛と家族愛と友情とが素敵に描かれるファンタジーだけに、これからも目が離せません。
おおいにオススメ。

ソフィアの宝石 -乙女は、降り立つ- (ビーズログ文庫 わ 1-1) - 渡海 奈穂

ソフィアの宝石 -乙女は、降り立つ-
渡海 奈穂

エンターブレイン(文庫)
Amazon | bk1


関連エントリー
[渡海奈穂] [ソフィアの宝石感想一覧] [B's-LOG文庫] [ライトノベル]

Home > ライトノベル > [渡海奈穂] ソフィアの宝石 ―乙女は、降り立つ―

Trackback:0

TrackBack URL for this entry
http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/1891
Listed below are links to weblogs that reference
[渡海奈穂] ソフィアの宝石 ―乙女は、降り立つ― from booklines.net

Comment:0

Comment Form
Remember personal info

Home > ライトノベル > [渡海奈穂] ソフィアの宝石 ―乙女は、降り立つ―

Search
お気に入り

異形の王子と毒を吐く少女の恋の物語

4048700588

他人を寄せつけぬ毒を載せた言葉を吐いていた少女が、王子と伝承と出会ったことで、信じる思いを紡ぐようになる、その祈るような思いに涙しました。懐かしき人たちとの再会もまた素敵。→感想


それは血の繋がらない家族の物語。

4048700480

大きな山や谷があるようなお話しではないんだけれど、クセのある七人のきょうだいが共に暮らすその家には、じんわり温かい家庭がありました。それぞれ抱えているものはあるけれど、この家族ならきっと支え合いながら乗り越えてくれると信じてる→感想


それは「夢利き」が語る人の夢の物語。

夢の上(1) 翠輝晶・蒼輝晶 多崎礼

最高傑作級!辛くとも好きな人と共に歩める幸せ、あるいは人の夢に乗る幸せと切なさ。独立しながら、リンクする物語は、温かさに、人を想う気持ちに満ちあふれて、胸が熱くなる。人が人と出会うことの素晴らしさは、時に眩しくもあり、切なくもなるんだなと思いました。→感想


江戸時代。新たな暦を作る偉業を成し遂げた渋川春海の物語。

天地明察

最高傑作!碁打ちであり、算術家でもある男が、打ちのめされ挫折して挫折して挫折して、でも夢を忘れられず、立ち向かう姿に、どれほど興奮させられたか、泣かされたことか!さりげなく描かれる恋も素晴らしく、読み終わりたくないとこれほど思った作品はありません。 → 感想


左遷された北嶺で隠居生活を堪能しようとした史官ヤエトの前に、皇女が太守としてやってくるお話。

翼の帰る処 上 (1) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-1)翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)

中間管理職的苦労に悩まされるヤエトの姿がとても楽しいですが、それだけじゃなく、北嶺と帝国の歴史的秘密が見えてくる展開に興味を惹かれること請け合い!超オススメです!→上巻感想 / 下巻感想


普通の社会人であるこかげが、異世界の騒動に巻き込まれるお話。

wonder wonderful 上wonder wonderful 下

やさしさで涙する物語でした。あ、もう最高!王宮話やら恋愛要素やらも非常に楽しく、読み進めるにつれてゴロゴロ転がりまわりたくなること必至です!今年一番のオススメ!→感想 上/ 感想 下

なかのひと

Page Top