桐緒を狙った辻斬りがあったかと思えば、風祭道場に道場破りが訪れてと、何かと物騒なことが続いたある日、桐緒たちの前に茶々姫が現れた。フリフリした着物と栗色の巻き毛が良く似合う姫君は、紗那王の前憑き主であり、なんと許婚でもあるというのだ!茶々姫の登場に心を痛めつつも、彼女の気持ちも分かる桐緒は、お人好しにも彼女に強く出れず、さらには、茶々姫の実家のピンチに手助けをし始めて……
九尾の狐・紗那王と貧乏道場の娘・桐緒の胸キュンラブストーリィの第三弾。自称紗那王の許婚だという柳生の娘・茶々姫と、紗那王の思わせぶりな態度に振り回されながらも、桐緒が奮闘するお話です。
いやあ、楽しい楽しい。人前だと、素直になれないけれど、紗那王と二人っきりでいい雰囲気になると、恋する乙女心がビンビンに伝わってきますね。マジでキスする五秒前……で邪魔が入る展開は、ドキドキ感とガッカリ感が伝わってきます。可哀想すぎるなあ。なんて思いながら、ニヤニヤ。
茶々姫の登場で、紗那王が自分から離れてしまったらと不安になりながらも、恋する気持ちは分かるだけに、ついつい茶々姫のことも構ってしまう辺りが、桐緒らしくていいですね。
茶々姫の実家である柳生が、将軍家御指南役から降ろされるかもというピンチから、なぜか恋敵の手助けすることになった桐緒でしたが、始めこそ、憑き主としての器を示そうとかいう気負ったものがあったかもしれないけど、一度動き出してからは、打算とか駆け引きとか、そういったものは、意識に上らなかっただろうなあ。常に真っ直ぐな桐緒だからこそ、紗那王も守りたくなるんだと、そう思います。
なんせ、お手並み拝見とばかりに悠然と構えているように見えてた紗那王が、実は後方で桐緒を助けるために動いてたりしたし。まったくもう、素直じゃないなあと思いながら、にんまり。
茶々姫の自己中っぷりには、一緒にいたら辟易するんだろうなあと思ってましたが、途中から我が儘っぷりを感じなかったのは、ひょっとしたらいろいろ事情を知ってたりして?何かと曲者っぷりを見せてくれるところに、ちょっと見直したりもしました。最後の桐緒へのアレは、弓弦にされたことの照れ隠しなんじゃないかなと思うと、うふふってなりますね。
それにしても、今回柳生降ろしを画策していた時津の裏で暗躍していた妖怪が、実は紗那王たちとも関係があるところには、いろいろキナ臭いものを感じますが、その妖怪が憑いている相手が、よりによってあの人(だよね?)だとは!となると、今後も紗那王は安心できなそう。
ところで
さすがに、二度あることが三度もあると、ふたりとも可哀想なんで、そろそろキスの一回ぐらいやらせてあげてください……。
お狐サマの縁結びッ! (ビーズログ文庫 か 2-3)
かたやま 和華
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