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[末永外徒] 108年目の初恋。2

待ちに待った初デート。といっても、場所はいつものように私の中だけど。ただ、期待と違って、ちっとも盛り上がらない。沈黙が訪れるとすっごい焦ってしまうし、ついつい要らぬことを言って、新くんを怒らせてしまった。そこへ訪れたのは、珊瑚細工の付喪神のサンゴさん。保護者代理としてきてくれたのはいいんだけど、色っぽいし、エッチだし、新くんを誘惑するし……

「旧校舎」であるコウの恋物語の第二弾。ハッピーエンドで終わったあとだけに、どう続けるのかと思いましたが、始めての恋に悩む女の子のお話でしたね。友人とだと普通に楽しく話せるのに、好きな人といると楽しく笑えないって、何かわかるなあ。新を思う気持ちはあるのに、頑張ろうって気持ちが強くなっちゃうと、空回りしちゃうんですよね。
そんなコウを見て、一緒に悩んだり、叱咤激励してくれる夕子やいすずなどのやり取りがまた良くて。ありふれた感じではあるんですが、友達っていいなと思いました。

それにしても、コウの妄想は楽しかった。次こそは楽しいデートにしようとして、デートシミュレーションをするところがあるんですが、誰もが考えてしまいそうな自分に都合のいいベタベタな妄想に、ニヤニヤです。新のために頑張る姿は、ほんと可愛かったなあ。

ただ、その頑張りが空回りして、いろいろ燻っていたものが、とあるきっかけから大きな喧嘩に発展して、というところは、恋愛ものの王道っぽくてよい感じ。意地を張ってどうしても謝れないところとか、不安が不安を呼んで別れることになったらどうしようとか悩むところは、本気で不安のサイクルに陥っていく様が見れましたね。

新任教師である付喪神のサンゴが、またいい味出してましたね。人間は嫌いといいながら、何かと邪魔しているようで、結果として二人の仲を深めていくところには、思わず拍手したくなります。「偶然」を強調していたけれど、きっと……と思ってしまう僕は甘いかしら。

始めての喧嘩と始めての仲直りと。

小さなことで一喜一憂するふたりを見てると、幸せってこういうものの積み重ねなんだと納得しちゃいますね。二人だけの問題と思われがちだけど、周りの人にもいろいろ助けられるし、逆に周りの人へ幸せをお裾分けすることもあるし。恋って、みんながいるからこそ、できるし、育っていくんだなあと思いました。いやあ、いー話です。

ただ、話としては同じようなところをぐるぐる回るというか、微妙に盛り上がるところがなくて、ちょっと退屈だったかなあ。短編とはいわないけど、中編ぐらいだったら、もっと良かったかも。

108年目の初恋。2 - 末永 外徒

108年目の初恋。2
末永 外徒

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