娯楽施設の無い三瀧女子高では、休みの日でもやることなどほとんどない。唯一の男子である佑鹿は、いつものように図書館にこもることにしたが、そこで雪風の妹とであった。榛名と名乗った彼女は、雪風にべったりで、普段は口数の少ない雪風も榛名には優しい目をしていたのが印象的だった。だが、彼女たちに兄がいるという話になると途端に顔を曇らせて、さらに寄宿舎対抗戦で、榛名の班と戦うことになり……
ラルワを倒せるのは、思春期の少女が持つアムニスという精神体を武器にしたものだけということで、謎の生命体ラルワを倒すことを学ぶ高校に通う少女たちの物語の第二弾です。
雪風の妹の榛名が、あんなにも明るく可愛いとはねぇ。そりゃ雪風も護ろうと思うわけですよ。親が亡くなったこともあり、家族に対して人一倍依存心が強い子のようですが、そのことが逆に不安を誘いますね。兄というのがあそこで繋がってくるとは……。
妹に対しては優しくとも、佑鹿などの同じ班の人に対しては、それほど変わっていないので、相変わらずチーム戦では苦戦を強いられることになってるなあ。意思の疎通さえ図れれば、もっといけるのにと思うと惜しい気持ちでいっぱい。ただ、それだと雪風に頼りっきりになってしまいそうなので、佑鹿の成長を促すという意味ではいいのかもしれない。自分のできることがあるならばと、ひとつひとつ考えていく佑鹿の姿がいいですね。
かつて同じ班だったという野分が、雪風に対して強い態度を見せるのは、仲間を思うという点では間違っていないですが、生き延びるという点からすると、雪風の言葉のほうが正しいので、どの立場から物を見るかで評価は変わるんだろうなあ。この間を取り持つであろう佑鹿の成長がキーになりそう。ひょっとして、野分は同じ班になるのかしら、なんてちょっと甘いことも思ったりしてますが、さてさて。
メイベルの新種のラワル話は、まるでウィルスを思わせるものがありますが、ならばこその無属性なんだなとも納得させられます。ただ、自然の流れというよりは、促進させる存在がいるような気がするだけに、追い抜かれたら追いつけるのか気になりますね。
ラワルの手引きをする輩が何をたくらんでいるのかは、片鱗らしきものは見えてきても、いまだ明かされていないのが悩ましい限りです。
弥栄という言葉が、物語のはじめと終わりを飾っていますが、これほどまでに力強いのに、これほどまでに悲しく響くとは思いませんでした。放たれた言葉の余韻の切なさに、思わず涙。
戦嬢の交響曲(せんじょうのシンフォニア) 2巻 (ファミ通文庫 つ 2-2-2)
築地 俊彦
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