Home > ライトノベル > [伊東京一] バード・ハート・ビート 夜叉天炎!

[伊東京一] バード・ハート・ビート 夜叉天炎!

「リーンっ。待たせたな。いますぐ助けてやるから、待ってろよ」
その言葉が真実であることを、リーンは知っている。どんなときだってテオは、自分を助けに来てくれるのだ。
だからリーンは、力強くうなずいていた。
「うん!」

巨鳥による競争が盛んな山岳国家ラビーヌ王国で、国定競鳥騎手を目指す少年テオと、ラビーヌ王国に嫁ぎにきた少女・リーンが出会って、という空を翔る冒険物語の第二弾今回は、貴族を拐かす「三叉羽の幽霊」をテオたちが追いかけるお話です。

これは面白かったなあ。ようやく競鳥騎手になれたのに、「三叉羽の幽霊」のおかげで、レースが中止になってしまって、さらには「三叉羽の幽霊」がテオの技、直滑降を繰り広げたりしたもんだから疑われる羽目になってしまったら、そりゃ追いかけたくもなるわ。
それまで王宮で花嫁修業をしてたリーンもやってきて、みなで動き始めるところに、ワクワクするものがありました。

ただまあ、リーンは相手に心当たりがあって……というところから思い詰めたように動いてしまうのは、彼女らしくもありますが、水くさくもありますよね。巻き込みたくないといいながら、しっかり巻き込まれたテオですが、もちろん、そのことが嫌なわけはなく、むしろ黙っていたことに腹を立てて。リーンの引け目に、真正面から応えたテオの言葉が、胸を熱くしてくれました。

一方、幽霊の目的はについては、見えてくるにつれて、やりきれないものを感じましたけど、だからといって手を汚していいわけではなく、さりとて、一度、闇に傾いてしまった人たちの勢いは、たとえ間違いだと気づいたとしても留まることがありませんでしたが、国民を、国を守るために、自らの命を懸けて止めようとするリーンと、彼女を守るために飛び続けるテオの姿を見ていたら、この二人が、こういった少年少女がいれば、国というのは安泰なんじゃないかと思ってしまいました。
ふたりだけでなく、他の騎手たちや何よりわかりあえている友たちのバックアップがあってこその冒険劇が素晴らしかったです。

いやあ、面白かった。空を滑空するスピード感もさることながら、恋愛要素もたっぷりあるのがいいですよね。リーンとテオの微妙な距離感はもちろんのこと、イスカとララがあんなにもぎくしゃくするなんてなあ。
中でも一番キタのは、王であるシュアルとそのメイド、カルロッタの関係です。このふたりには結ばれてほしいと心から思いました。

二冊で完結というのは寂しいですが、すてきな物語を読めたことを感謝したいと思います。

バード・ハート・ビート 夜姫天炎! (ファミ通文庫) - 伊東 京一

バード・ハート・ビート 夜姫天炎! (ファミ通文庫)
伊東 京一

エンターブレイン(文庫)
Amazon | bk1


関連エントリー
[伊東京一] [ファミ通文庫] [ライトノベル]

Home > ライトノベル > [伊東京一] バード・ハート・ビート 夜叉天炎!

Trackback:0

TrackBack URL for this entry
http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/2883
Listed below are links to weblogs that reference
[伊東京一] バード・ハート・ビート 夜叉天炎! from booklines.net

Comment:0

Comment Form
Remember personal info

Home > ライトノベル > [伊東京一] バード・ハート・ビート 夜叉天炎!

Search
お気に入り

異形の王子と毒を吐く少女の恋の物語

4048700588

他人を寄せつけぬ毒を載せた言葉を吐いていた少女が、王子と伝承と出会ったことで、信じる思いを紡ぐようになる、その祈るような思いに涙しました。懐かしき人たちとの再会もまた素敵。→感想


それは血の繋がらない家族の物語。

4048700480

大きな山や谷があるようなお話しではないんだけれど、クセのある七人のきょうだいが共に暮らすその家には、じんわり温かい家庭がありました。それぞれ抱えているものはあるけれど、この家族ならきっと支え合いながら乗り越えてくれると信じてる→感想


それは「夢利き」が語る人の夢の物語。

夢の上(1) 翠輝晶・蒼輝晶 多崎礼

最高傑作級!辛くとも好きな人と共に歩める幸せ、あるいは人の夢に乗る幸せと切なさ。独立しながら、リンクする物語は、温かさに、人を想う気持ちに満ちあふれて、胸が熱くなる。人が人と出会うことの素晴らしさは、時に眩しくもあり、切なくもなるんだなと思いました。→感想


江戸時代。新たな暦を作る偉業を成し遂げた渋川春海の物語。

天地明察

最高傑作!碁打ちであり、算術家でもある男が、打ちのめされ挫折して挫折して挫折して、でも夢を忘れられず、立ち向かう姿に、どれほど興奮させられたか、泣かされたことか!さりげなく描かれる恋も素晴らしく、読み終わりたくないとこれほど思った作品はありません。 → 感想


左遷された北嶺で隠居生活を堪能しようとした史官ヤエトの前に、皇女が太守としてやってくるお話。

翼の帰る処 上 (1) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-1)翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)

中間管理職的苦労に悩まされるヤエトの姿がとても楽しいですが、それだけじゃなく、北嶺と帝国の歴史的秘密が見えてくる展開に興味を惹かれること請け合い!超オススメです!→上巻感想 / 下巻感想


普通の社会人であるこかげが、異世界の騒動に巻き込まれるお話。

wonder wonderful 上wonder wonderful 下

やさしさで涙する物語でした。あ、もう最高!王宮話やら恋愛要素やらも非常に楽しく、読み進めるにつれてゴロゴロ転がりまわりたくなること必至です!今年一番のオススメ!→感想 上/ 感想 下

なかのひと

Page Top