Home > ライトノベル > [櫂末高彰] 学校の階段 5

[櫂末高彰] 学校の階段 5

文化祭まであとわずか。どうやら階段部も参加することになるようで、準備が大変だ。そんな中、井筒はひとり苦悩していた。周囲の状況が状況だけに、間違った告白であることを、なかなか凪原に言い出せないのだ。なし崩し的にダブルデートが組まれて、どうしようかと迷っている中、文化祭で交流することになっている山上桔梗院の生徒・槙島が、妹を泣かせたと井筒に敵意を向けてくるというトラブルが勃発して……

井筒の覚えのないことで他校の生徒とトラブルになり、階段レースで決着をつけようとするお話ですが、ぶっちゃけ階段レースよりも、井筒と凪原の関係がとても良かったです。

凪原に謝って告白を取り消したいのに、クラスメイトの女子やら九重やらが盛り上がってしまって、ダブルデートが組まれた時の井筒の様子には、可哀想すぎて笑ってしまいました。まあ、自業自得だし、可哀想さで言ったら、凪原の方が可哀想なので同情はしないけど。
ただ、今まで、お気楽な印象があった井筒が、神庭と本音のやり取りができるようになったところには、嬉しい気持ちになりましたね。仲間っていいです。

槙島と井筒の騒動から、階段レースになるのは、どうにも微妙なんですが、九重がいたからしかたないか。まあ、勝負よりも、凪原と槙島の妹である愛との話のためのレースでしたからね。
状況に流されて、期待に応えるために自分を押し殺して。そんな自分だったことを省みた凪原が、親友のために叫ぶシーンは、良かったなあ。彼女が変わろうと思ったきっかけは、井筒だと思いますが、それを後押ししたのは、槙島愛だったんじゃないかと思いました。

いつの間にやら、三島や凪原まで参加することになったレースでしたが、一番印象的だったのは、凪原が井筒にバトンを渡すシーンですね。何も言えないことが、言葉にならないものが、バトンと共に伝わってる感じがして、素敵でした。イラストもいいですよねー。
井筒が応えた「任せろ」という言葉がかっこ良さに惚れ惚れしました。

とまあ、ここまででも面白かったんですが、一番面白かったのは、最後の章、文化祭当日のお話でしたね。「筋肉の案内板」から始まって、各部員たちの文化祭の模様があるだけなのに、笑いとニヤニヤが止まりません。サエぽんのキザっぷりには、思わず「きゃー」と叫びたくなりましたし、美冬姉さんの態度にニヤリとさせられましたし、ナギナギの決意には、頑張れ!!と応援したくなるものがありましたから。でも一番好きなのは、刈谷と中村のシーンかな。短いやり取りの中に、多くのことを感じさせるものがありました。

いやあ、面白かった。レースはあくまできっかけに過ぎず、それ以外のところでも青春してるってことが、たっぷり伝わってくるお話でした。
会長が何を考えてるのかわからないのはいつものことですが、どうやら山上側にもいろいろあるみたいだし、馬淵については、天ヶ崎だけじゃなくて、神庭も関係してくるっぽいので、このあたりがどうなってくるのか楽しみですね。

学校の階段 5 (ファミ通文庫 か 8-1-5) - 櫂末 高彰

学校の階段 5 (ファミ通文庫 か 8-1-5)
櫂末 高彰

エンターブレイン(文庫)
Amazon | bk1


関連エントリー
[櫂末高彰][学校の階段シリーズ感想一覧] [ファミ通文庫][ライトノベル]

Home > ライトノベル > [櫂末高彰] 学校の階段 5

Trackback:3

TrackBack URL for this entry
http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/1600
Listed below are links to weblogs that reference
[櫂末高彰] 学校の階段 5 from booklines.net
学校の階段(5) from Alles ist im Wandel 2007-05-02 (水) 18:43
学校の階段 5posted with 簡単リンクくん at 2007. 5. 2櫂末 高彰著エンターブレイン (2007.5)通常24時間以内に発送します...
学校の階段〈5〉 from MOMENTS 2007-05-07 (月) 00:28
読了。 井筒と凪原さんの、誤解から始まった関係の解決と発展、そして、主人公・缶バッジこと神庭幸宏の背景にも、何やら大きなものが控えていそうな仄めかしがあっ...
(書評)学校の階段5 from たこの感想文 2007-05-09 (水) 20:20
著者:櫂末高彰 学校の階段 5価格:¥ 609(税込)発売日:2007-04-2

Comment:0

Comment Form
Remember personal info

Home > ライトノベル > [櫂末高彰] 学校の階段 5

Search
お気に入り

虜囚の姫と疎まれる第二王子の旅路を描くファンタジー。

花守の竜の叙情詩 (富士見ファンタジア文庫) - 淡路 帆希

オーソドックスではあるんですが、各キャラの心の変化が丁寧に描かれていて、とてもいい。切ないお話ではあるんですが、最後の心に温かいものが残りました。大切にしたい思いが詰まってるお話です。 → 感想


まさかこんな素敵な青春物語が読めるなんて!

電波女と青春男 (電撃文庫)電波女と青春男〈2〉 (電撃文庫)

甘酸っぱく、時に遣りきれない思いに苛つくこともあるけど、高いところから飛んでしまうような青春模様が素敵でした。笑いも沢山あるし、ほんと面白かった。とてもオススメ。


聡明であるが故に孤独な少女プルーデンスと、蒼い衣をまとった名無しの吟遊詩人が、鳥の塔に至る迷宮の謎に挑むファンタジー

鳥は星形の庭におりる (講談社X文庫―ホワイトハート)

世界観といい雰囲気といいハマりまくりです。知識を持つが故に、両親や兄から疎まれて、家族といても孤独を感じていた少女なんですが、それをぐっと堪えて、誇り高さを忘れない姿勢が素敵でした。続きが出てくれると最高に嬉しいです。→感想


左遷された北嶺で隠居生活を堪能しようとした史官ヤエトの前に、皇女が太守としてやってくるお話。

翼の帰る処 上 (1) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-1)翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)

中間管理職的苦労に悩まされるヤエトの姿がとても楽しいですが、それだけじゃなく、北嶺と帝国の歴史的秘密が見えてくる展開に興味を惹かれること請け合い!超オススメです!→上巻感想 / 下巻感想


普通の社会人であるこかげが、異世界の騒動に巻き込まれるお話。

wonder wonderful 上wonder wonderful 下

やさしさで涙する物語でした。あ、もう最高!王宮話やら恋愛要素やらも非常に楽しく、読み進めるにつれてゴロゴロ転がりまわりたくなること必至です!今年一番のオススメ!→感想 上/ 感想 下


十八番目の皇女という立場から、何も手にすることができなかった月華が、心の内に「龍」を飼う涼狐の剣舞に惚れて、剣を手にする中華風ファンタジーのボーイ・ミーツ・ガール。

DRAGONBUSTER 1 (1) (電撃文庫 あ 8-13 龍盤七朝)

淡々と語られている物語だと思っていたのに、気づけば引き込まれています。溜め込んだエネルギーが、次なる巻で爆発してくれることでしょう。背筋がゾクゾクするほど、楽しみでなりません。→感想

なかのひと

Page Top