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[竹岡葉月] マイフェアSISTER 姫君、拳を握りすぎです。

おいしいバイトがあると、従姉のミキに呼び出された師走の嫌な予感は的中した。なんと異世界人のお客様のお世話と案内をしろというのだ。それも下手をしたら国際問題になるほどのVIP相手に。逃げ出そうとしたが、目の前に異世界人が現れたら、目が釘付けになってしまった。半端なく可愛い女の子だったのだ。
出会いは衝撃的だったけれど、このままほうっておけないと相手をし始めた師走に、アネモネと名乗るお姫様は、人探しをしていると言い出して……

従姉のミキ、お姫様の人探し、女優の妹の睦月のわがままなどに振り回される師走くんのお話ですが、これはいいですね。妹ものといっても、変な意味ではなく、本当に大切に思ってることが伝わってくる話です。

真面目だからこそ、いじられ役となってるアネモネがなんとも可愛い。幾度となく兄である王子にだまされてるらしい描写に、クスクス笑ってしまいます。幼い子供だけど、姫としての自覚があるため、困ったことがあっても、強がる姿勢が微笑ましいです。

はじめはアネモネを押し付けられていた感じだった師走が、いつの間にか見守るようになっていくところが良かったですね。夜が怖くて眠れないアネモネを、プライドを傷つけないように、そっと誘うところとか、素敵でした。この優しさを知っていたら、そりゃミキも押し付けるわけだ。

そんな師走を兄とする睦月のキレっぷりが楽しいです。女優だけあって、インタビューなどでは天使のような振る舞いをしているのに、兄に対しては、暴君となって振り回すあたりに、お兄ちゃん好きを表に出せない意地っ張りっぷりが伝わってきます。

ただ、意地を張るだけじゃなく、仕事について弱さを見せたりもしますが、そんなときでも安易な慰めを受けようとしないところがいいですよね。
アドバイスできない師走を責めるでもなく、かといって逃げようとせず、他人の良いところを目の当たりにして、もう一度自分を見つめなおしていくところは、素敵でした。勇気とはこういうときに使うんだなと思いましたね。ガンバレと声をかけたくなります。

人探しの元となった泥棒騒ぎが実は……と明かされるくだりには、思わず、目頭が熱くなる思いでした。今までとは180度イメージが変わるメールの文章に込められた思いにやられます。
一度挫折した師走が、中途半端とわかっていながら、何一つできなかった師走が、アネモネのために、自分を取り戻していくところは、熱くなりましたね。

あー、もう最高!嬉しくなるような気持ちがとまりません。熱くなる思いが冷めません。応援したくなる気持ちでいっぱいになるし、触発されて、自分もがんばろうかなって思いにさせられますね。
これはぜひぜひ続編が見たいです。
オススメ。

マイフェアSISTER―姫君、拳を握りすぎです。 - 竹岡 葉月

マイフェアSISTER―姫君、拳を握りすぎです。
竹岡 葉月

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