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[新井輝] 私の愛馬は凶悪です

射水君は毎日違う女の子とえっちしている。今日もまたクラスで女の子とえっちをする予定を汲んでいた事に、霧理は我慢がならず、怒鳴り込んだら、射水君はこういうことがダメなことだったとは思わなかったらしい。ダメなら止めたいけど、話し相手が欲しいというので、しかたなしに霧理は、彼の「話し相手」になることにしたが……

何となく ROOM NO.1301 を連想するのは、えっちは得意だけど、恋愛がよくわからないという男の子が出てくるからかな。とはいえ、女の子視点というだけで、全然違うものになってるのが面白いですね。

目の前でえっちの予約なんてものの交渉をされてたら、そりゃ目障りですが、そんな彼をとめるために言うことを聞いて話し相手になるとは、霧理もいい子だねぇ。何が悪いのかわからないという人を相手にするやり取りのチグハグさは面白くもあり、何でこんなことがわからないのかという苛立たしさもありました。

この苛立ちは、射水君だけじゃなくて、霧理の妹とか予約の子などの女の子の考え方にもありましたが、霧理が疑問に思っていることが、周囲に伝わらないあたりは、むしろこっちが戸惑いました。今の子が(こんな言葉を使うようになってしまったのか!)、ホントにこういう感じだとしたら、怖いですね。

何かしてあげたいとか、いい人でいなきゃという肩肘張ってる二人の距離が、だんだんと縮まってると思えるところには、なんか温かいものを感じますね。はじめは、射水君の言動に振り回され気味だったのに、射水君が料理するところとかの距離感は、微笑ましく思えます。いいなー、こういう雰囲気。

ただ「友達」という壁が、二人の足かせになっているのが、皮肉ですよね。いわば、小学生のような「友達」を目指しているため、彼の言葉に胸を痛める霧理の微妙な心の揺れ方には、心苦しさを覚えます。霧理は傷つくことから逃げるところがある感じなので、自分の気持ちを自覚しきっちゃうと、やばいかも。
射水君も、今がいい関係なだけに、踏み込むことはしなそうだし。

まあ、最後に爆弾があったので、いろいろ連鎖反応が起きたりするのかなと思ったりしますが、近くて遠い二人の関係がどうなっていくのか、楽しみですね。

ちなみに、霧理と射水の話の中に、一編だけ霧理の弟の進が主役となるお話がありました。一目惚れした相手に告白したら、相手がOKしてくれたんだけど、何を言っても「進くんがそう言うなら」と、自分を出してくれない事が不安になって……というお話。
「進くんがそう言うなら」
まったく同じ言葉なのに、始めと終わりでは、まるで異なる響きを持ってくれて、とても温かい気持ちになれました。いやあ、これはいいなあ。
特に何か出来事がなくてもいいから、次の巻でもこの二人の関係は読んでみたいです。

私の愛馬は凶悪です - 新井 輝

私の愛馬は凶悪です
新井 輝

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