寮で食事を取っていたら、寮母のマミヤさんが「ご両親が、富士の樹海で、首を吊って……」と駆けつけてきた。ショックを受けるまもなく、警察だ、弁護士だ、葬式だとゴタゴタしていたら、突然ヤクザがボクの前に現れた。どうやら両親の借金を取立てに来たらしい。そんなこといってもお金なんてないボクは、ヤクザの事務所に連れて行かれて、気がつけば、殺し屋として仕事をすることになってしまったが……。
借金のカタといったら、色か臓器を売るかと相場が決まってるようなものですが、なぜか殺し屋の手伝いをすることになった女子高生ハナヲの物語です。
両親が亡くなったというのに、それほどショックを受けていないように見えていたハナヲが、ふとした拍子に思い出し、感情が揺れる様には、悲しみが実は深いことを見せてくれましたが、そんなハナヲが、グッとくるあたりを抑えることができたのは、憧れるカッコよさを持ったラビオリが近くにいたからでしょうね。
人殺しを手伝い、自分も仕事をするようになり、それでも高校生を続けていけるのは、どこか自分の心を切り離すことができているからなんでしょうね。このあたりの乾いた感情のが、逆にゆれ幅を大きく見せてくれるところがありました。
ラビオリがなぜこの世界に入ったかという話は、普段の様子からは、想像できないぐらい意外でした。失ったものを取り戻すためという積極的なものではなく、離れたくない一心で、自分に課すものから飛び込んだとは思いませんでした。ハナヲを預かったのも、昔の自分を思い出したからかもしれないし、何か自分に対して絆的なものがほしかったのかもしれないですね。
どんな仕事でも引き受けるというプロ意識は、むしろ罪の意識を責めうけるものだったとは、何とも重いです。
短い間ながらも相棒として過ごしてきただけに、ハナヲはそんなラビオリの気持ちがわかるんだろうなあ。ラビオリのピンチに、ハナヲがそばにいるのに足を止めたのは、それがラビオリのスタイルで、そこに憧れていたからなんでしょうね。
妄想のようで、楽しい。でも、それがいつまでも続くはずがないという現実は、辛いものがありました。
肌を求め合ったのは、相手を思ってのことではなく、失ったものの大きさを実感したくないからだと思いますが、引き金をひとつ引いて区切りをつけたことは、お互いをきちんと見つめあうきっかけになったんだと思います。
もう戻らないという決意は、悲しくもニョッキことハナヲを成長させたんじゃないかなあ。
句読点が少なくズラズラと文書が続いていくので、圧倒されますが、それでもすらすら読めるところが良いですね。殺伐としている軽快さと、胸に響く切なさが素敵なお話でした。
いやあ、いいなあ。個人的に肌に合う雰囲気がたまりません。
僕はこの人にずっとついていくかも。
ラビオリ・ウエスタン
森橋 ビンゴ
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- ジャラル 2007-03-07 (水) 10:25
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パッキンパッツンのお姉さんが表紙で、中身の軽い文体にも関わらず内容は割りと重かったですね。正直全然訓練していない女の子が現役バリバリの殺し屋とタイマンやれるとは思えんのですが(笑)。この作者の方はもう少し年長向けのノアール(暗黒+悪漢)小説書くと良いのでは?と思いました。







