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[野村美月] ”文学少女”と飢え渇く幽霊

文芸部のポスト(不法設置)に嫌がらせのような手紙を入れた犯人を捕まえるために、夜までポストを見張ることになってしまった。期末テストまでの貴重な時間なのに、ぼくには憤慨している遠子先輩を抑えることができなかった。
その夜、僕らの前に現れたのは、一昔前の制服に身を包んだ少女だった。
「だってわたし、とっくに死んでるんですもの」って、まさか幽霊……?

文芸部のポストに嫌がらせのような手紙か届けられたことから始まる物語。
素晴らしいですね。文句なしに面白いです。
憤慨して一直線に暴走する遠子先輩と振り回される心葉のやり取りが楽しくて楽しくて。怖い事が嫌いでおびえているのに、人前ではそんな素振りを見せまいと強がる先輩がなんともいじらしいです。この二人のやり取りに幾度となくニヤニヤしてしまいました。

手紙を投函していた少女の関係についてはわりと想像がつきましたが、何をしでかすかわからない雰囲気と展開に引き込まれました。遠子先輩のおかげで、シリアスになり過ぎずに物語が進んでいくので読みやすいですが、だからといって軽いわけではありません。しっかりと揺さぶられます。
すれ違いから生まれる誤解の残酷さが、最終章の叫びが、心に突き刺さります。

心情という点では、心葉の苦しみが特に印象的でした。「失ったものを取り戻す方法」は、忘れられない過去がある心葉にはどんな誘惑となったことか想像するだけでもきついです。ただ、苦しまずに思い返すことが出来る日は、遠子先輩がいれば、そう遠くないのではないかと思います。思いたいです。

個人的に好きなシーンは、自分の身が危ないにも関わらず、部屋にある本の心配をする遠子先輩ですね。あの危機一髪な場面で、真面目に笑わせてくれる遠子先輩大好き。

一方、気になったのはツンデレな琴吹さんですね。前作に負けず劣らず微妙な乙女心が素敵な彼女ですが、中学時代に心葉と何かがあったことを匂わしてました。いったい何があったのか気になりますが、この辺りはいずれ明かされると思うので、楽しみにしようっと。

”文学少女”と飢え渇く幽霊 (ファミ通文庫) - 野村 美月

”文学少女”と飢え渇く幽霊 (ファミ通文庫)
野村 美月

エンターブレイン(文庫)
Amazon | bk1


そうそう。今回もいろんなところで遠子先輩による文学解説がありました。せっかくなので目に付いたものを羅列してみます。リンク先は Amazon.co.jp です。間違い等がありましたらご指摘ください。

いつか読んでみたいですね。

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Comment:5

こばげん 2006-08-30 (水) 15:58

えと、はじめまして。感想、大変参考にさせていただいています。

G・マクドナルドのファンタスティスの日本語版は、筑摩から出ています。Amazonだと
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4480034862/
かと。

こばげん 2006-08-30 (水) 15:59

ティス→テスです。orz

deltazulu 2006-08-30 (水) 16:26

あ、「ティス」じゃなくて「テス」だったんですね。追記させていただきました。情報ありがとうございます。

たろ 2007-06-07 (木) 17:49

KOTOKO?

deltazulu 2007-06-07 (木) 19:55

ほんとだ、何やってんだ……orz
修正しました。ご指摘ありがとうございます。

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