Home > ライトノベル > [伊東京一] バード・ハート・ビート 舞姫天翔!

[伊東京一] バード・ハート・ビート 舞姫天翔!

「世の中、知らないでいいことたくさんある。わたししゃべらないの、そのせい」
「オレにとっちゃ、そんな御託はどうでもいいんだよ。ただひとつだけ、忘れてもらっちゃ困ることがあるだけだ」
「それ、なに?」
「特急パパロは一度引き受けた仕事は必ずやり遂げる」

巨鳥による競争が盛んな山岳国家ラビーヌ王国で、国定競鳥騎手を目指す少年テオが、怪しげな少女・リーンを人目につかないように天都まで送り届けるという仕事を引き受けたら、何者か襲い掛かってきて……という空を翔る冒険と恋の物語。

これは最高に面白かった!なんて素敵なボーイ・ミーツ・ガールなんでしょう。
出会いは最悪で、口では勝てないし、すぐ暴力振るわれるし、でも、そんなリーンが時折見せる本当の笑顔を見たら……気になっちゃいますよね。自分の体の大きさにコンプレックスを持ってるテオは、何かと彼女に突っかかるものの、放って置けなくなって、天都までの道のりを共に行く姿が微笑ましいです。

一方のリーンも、自身の使命のために、近しい人を作らぬようにしていたのに、テオや彼の友だちとの触れ合ったことで、ほんのひと時でも、自分に降りかかる寂しい未来を忘れることが出来たシーンがとてもよかったです。
中でも、テオのことが好きな競鳥騎手仲間のララとリーンが、お祭りの舞台で、踊りを見せるシーンが好きです。初めは意地悪で誘ったのに、リーンの踊りを見るうちに熱が入って踊りを披露し、リーンもまた共に踊る楽しさを知って。相乗効果が見える舞台は、ほんの数ページのシーンだったけれど、音が聞こえて、景色が見えて……、鳥肌が立ちました。ああ、いいなあ、この雰囲気。

こうやってリーンが心開いていくのが見えたからこそ、彼女が背負わされてるものの重さがつらくなるんですけどね。

テオと彼の鳥・ミルヴィルと共に、空を飛び、地を走り、鳥と遊んでいった天都までの道のりは、何も知らなければこれ以上ないぐらい嬉しいものだったんですが……。リーンを狙うものの手は、少しずつ伸びていって。
お互い心の奥に秘めた思いを自覚しながら、それでも決して逃げなかった少年少女の姿が心に残りました。

いやあ、面白かった!
唐突な別れがあり、それでもなお、立ち上がった少年と、最後まであきらめなかった少女と、主人の下に帰るためにがんばった鳥と。みんなの思いが胸にじんときました。
こんな風に大空を翔けてみたいですよね。文句なしでオススメです!

バード・ハート・ビート 舞姫天翔! (ファミ通文庫) - 伊東 京一

バード・ハート・ビート 舞姫天翔! (ファミ通文庫)
伊東 京一

エンターブレイン(文庫)
Amazon | bk1


関連エントリー
[伊東京一] [ファミ通文庫] [ライトノベル]

Home > ライトノベル > [伊東京一] バード・ハート・ビート 舞姫天翔!

Trackback:0

TrackBack URL for this entry
http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/2841
Listed below are links to weblogs that reference
[伊東京一] バード・ハート・ビート 舞姫天翔! from booklines.net

Comment:0

Comment Form
Remember personal info

Home > ライトノベル > [伊東京一] バード・ハート・ビート 舞姫天翔!

Search
お気に入り

異形の王子と毒を吐く少女の恋の物語

4048700588

他人を寄せつけぬ毒を載せた言葉を吐いていた少女が、王子と伝承と出会ったことで、信じる思いを紡ぐようになる、その祈るような思いに涙しました。懐かしき人たちとの再会もまた素敵。→感想


それは血の繋がらない家族の物語。

4048700480

大きな山や谷があるようなお話しではないんだけれど、クセのある七人のきょうだいが共に暮らすその家には、じんわり温かい家庭がありました。それぞれ抱えているものはあるけれど、この家族ならきっと支え合いながら乗り越えてくれると信じてる→感想


それは「夢利き」が語る人の夢の物語。

夢の上(1) 翠輝晶・蒼輝晶 多崎礼

最高傑作級!辛くとも好きな人と共に歩める幸せ、あるいは人の夢に乗る幸せと切なさ。独立しながら、リンクする物語は、温かさに、人を想う気持ちに満ちあふれて、胸が熱くなる。人が人と出会うことの素晴らしさは、時に眩しくもあり、切なくもなるんだなと思いました。→感想


江戸時代。新たな暦を作る偉業を成し遂げた渋川春海の物語。

天地明察

最高傑作!碁打ちであり、算術家でもある男が、打ちのめされ挫折して挫折して挫折して、でも夢を忘れられず、立ち向かう姿に、どれほど興奮させられたか、泣かされたことか!さりげなく描かれる恋も素晴らしく、読み終わりたくないとこれほど思った作品はありません。 → 感想


左遷された北嶺で隠居生活を堪能しようとした史官ヤエトの前に、皇女が太守としてやってくるお話。

翼の帰る処 上 (1) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-1)翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)

中間管理職的苦労に悩まされるヤエトの姿がとても楽しいですが、それだけじゃなく、北嶺と帝国の歴史的秘密が見えてくる展開に興味を惹かれること請け合い!超オススメです!→上巻感想 / 下巻感想


普通の社会人であるこかげが、異世界の騒動に巻き込まれるお話。

wonder wonderful 上wonder wonderful 下

やさしさで涙する物語でした。あ、もう最高!王宮話やら恋愛要素やらも非常に楽しく、読み進めるにつれてゴロゴロ転がりまわりたくなること必至です!今年一番のオススメ!→感想 上/ 感想 下

なかのひと

Page Top