恋愛の相談ができる友人は持つべきであるが、恋愛の相談など友人にするものではない。
文芸部長の伊神に振り回されて、僕こと葉山が助手となり、学園内の不思議な出来事を解いていく学園ミステリィシリーズの第二弾。今回は四編が収録されています。
- 小学生が6m離れた隣のビルへどうやって移ったかを伊神が解く「あの日の蜘蛛男」
- 怪文書を貼ったと自白した初恋の人の無実を証明するために、葉山が謎に取り組む「中村コンプレックス」
- 公園で出会うお姉さんに恋をした少年の罪を描く「猫にあたえるべからず」
- 卒業式直後、伊神さんを送りだそうとしたら、行方がわからなくなり……「卒業したらもういない」
ああ、やっぱり学園ミステリィっていいなあ。謎そのものは些細なことなんだけど、同年代の人たちとああだこうだ言いながら考えていくって楽しそうで。柳瀬先輩の好奇心いっぱいな様や、伊神先輩のマイウェイっぷりなど、楽しくてしょうがない。
ま、シリアスなこともあったりするわけですが、それはそれ。やっぱり、そこはかと漂う恋愛模様が好きなんだろうなあ。小学生の頃の初恋や、その初恋の人との遭遇など、きゅんきゅんきちゃう。
そんなわけで、今回の四編で一番好きなのは、「中村コンプレックス」ですね。初恋の人と会えるかもしれないってことで、演劇部のお手伝いをしにいったり、いいところを見せようと頑張る葉山に、いろいろ共感してしまう。
柳瀬先輩とのやり取りが少なかったのは、ちょっと物足りないですが、バレンタインのところでは、さりげなく思いを感じるところがあって(あれはツッコミを入れるべきだったよ、葉山!)、ニヤニヤが止まらない。
まあ、見栄を張った結果がどうなるかってのは推して知るべしですが(柳瀬先輩以外は認めない僕は満足)、夕日に向かって叫ぶって、どんな青春なんだ!でも、それがしっくりくるからいいですね。
<卒業式編>ということもあって、伊神先輩の卒業式模様のお話があり、振り回されたけど、大好きな先輩を送り出す寂しさみたいなものが伝わってきて、ああ、卒業式ってこういう気持ちになるよなあと思うばかり。
変人だと知ってたけど、こんなところまでと思えるエピソードにクスリとしつつ(怪盗伊神はいろいろ想像して笑える)、じわりとくる。
個人的にはこれで終わりかと思ってたら、まだ続くっぽい。探偵役である伊神先輩はいなくなりましたが、<新学期編>ってことなので、葉山くんが頑張るのかな。それとも、柳瀬先輩が活躍するのでしょうか。いずれにせよ、彼らの恋模様も描いてくれたらなと思います。楽しみですね。
さよならの次にくる <卒業式編> (創元推理文庫)
似鳥 鶏
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