小市民であれ。日々の平穏と安定のため、ぼくと小佐内さんは断固として小市民を目指す。
そのために僕らは約束した。お互いを逃げ道に使うと。それは高校生になるときの僕らの誓い。
そんなおりに、高校で久しぶりに会った小学校時代の同級生に急に呼び出された。
クラスメイトのポシェットが盗まれたので探すのを手伝ってほしい、と
結局、見つからなかったが、僕の頭は自然と動き……
「小鳩くん、やっぱり推理したんだね」
小佐内さんの冷ややかな声に慌て……。
謎ときには関わらない(ようにする)少年。
人を恨まない(ようにする)少女。
目指せ小市民!という奇妙な設定ですが、素晴らしき青春ミステリィ。
コミカルで、それでいて悲しくて。
読んでいて何度ニヤリとさせられたことか。
読んでいて何度ホロリとさせられたことか。
お互いがお互いを逃げ道にして、何とかやり過ごそうとする姿は微笑ましく、辛いものがある。
いったい何があったのだろう。語られない過去が重い。
やっぱりこの人はこういう作品を書かせたら一級品。
特にお互いを想いあいながら、本質は変わっていないんだなということが非常に良く伝わってくる
ラストが最高でした。
ライトな感覚でしっかり読めるミステリィです。
春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)
米澤 穂信
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