「怖くない?」
「数字が残り1になったら、さすがに怯えるだろうな。だが、絶望は愚か者の結論だ。この時点で諦めるには早すぎる」
絶世の美女たる金星の婿にと、世界中から候補者が乗り込む金星特急。途中乗車も下車も許されなず、強行すれば待ち受けているのは死のみ。金星の写真に一目惚れした十五歳の少年・錆丸が、同室となった砂鉄・ユースタスと共に、与えられる困難乗り越えていく冒険活劇物語の第二弾。今回は、金星の所望する「王の火」を手に入れるべく、密林に下ろされたら……というお話。
盛り上がってきた!時間内に戻らなければならないという状況で、王の火とは?という謎を解きながら、密林に入っていくサバイバルゲームにドキドキ……しつつ笑ってしまう。シリアスな場面なのに、砂鉄とユースタスのやり取りが、コントのようにしか見えないんだもん。錆丸の思考によって示唆されてからはもうクスクス笑いが止まらなかった。悪いのは錆丸です。
普段、砂鉄とユースタスは距離をおいているけれど、錆丸を通すと良い感じなるって関係がいいなー。生き残るための信頼感はお互い抱いているようだけれど、ま、なんていうか、こう、もうひとつの感情が、ね。
ともあれ、王の火を手にするための過程では、それぞれ見せ場があったけれど、切ない思いも見られました。遺跡のような場所で出会った少年との交流は、とても良いものがあっただけに……たった一文字で泣かされました。錆丸はきっと彼を忘れないと思う。
貢ぎ物探しはてっきり早い者勝ちかと思ったら、かぐや姫状態だったので、思いも寄らぬ展開が待ち受けていて、カウントダウンにはらはらしまくりでした。あとちょっと……というところで、起きるハプニングの連続は、ああもう!と思いつつ、切り抜けていく手腕と、足を引っ張る人たちがいても、決して見捨てないやり取りに、良い仲間だなと思ったり。でも最終的にライバルだったりするから複雑。とはいえ、錆丸以外の人たちの目的は未だよく判らないからなあ。バックに何があるのやら。
砂鉄については、ちょっと見えてきたものがあるけれど、ユースタスはさてなんだろうと思ってたら、最後にやってきた人が異例の途中乗車+「殿下」だったりして、おいおい何が起きるんだ?続きがすっごい楽しみ。
金星特急2 (新書館ウィングス文庫)
嬉野 君
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