「えっ、ほんとに結婚詐欺師なの?」
「結婚詐欺は専門ではありませんが、詐欺師です」
その目を見ていた純太は驚いた。
「僕がフサさんに教わったのは詐欺のやり方を一から十まで。ちなみに雲出一族はみな、大なり小なり詐欺と呼ばれる行為が専門です」
危篤の知らせを受けてはじめて訪れた曾祖母・フサの家。ぎすぎすした空気が流れているのは、30億の遺産相続が絡むかららしい。祖母に会えるだけでいいと思っていた中学生の純太は、しかし遺産相続ゲームに巻き込まれてしまった。しかも、あろうことか相続の条件は、詐欺で2000万を稼ぐことで……。中学生の純太と美術詐欺師・研二がコンビを組んで挑むコンゲーム。
これは面白かった!
会ったこともない曾祖母の家を訪れたら、実は詐欺師一族だったってことを知らされて、遺産相続ゲームに巻き込まれていくわけですが、パートナーを組む研士から手ほどきを受けて、ちょっとずつ人をだます手を覚えていく展開がとてもおもしろい。どうすれば相手を騙すことができるかと考える好奇心と、騙してはいけないのではという正義感めいたバランスが、中学生らしいですよね。
純太の解決は、時に危ういことになったりして、目当てのカモからお金を引き上げることができなくなることもあるんだけど、怒ったり落ち込むことなく、次を目指す研二がいいな。なんていうか、ほんと、兄弟みたい。
それにしても、目標金額間近になって、さあ、ってところで明かされたあの「真実」には、盛大にだまされたなあ。っていうか、二話収録されていて、二話ともとあるところで「えー!」と叫んでしまうものがありました。
こういうびっくりものを毎回仕込むのは難しいかもしれませんが(話に関係ないネタな場合もあるし)、楽しいびっくりなので、今後も続けてほしいところ。
今後もとか書いてしまいましたが、続きって出るのかなあ。胡散臭い美男士・研士、強面だけど実はツンデレなおじさん・捨身たちと繰り広げる詐欺ゲームは、とても楽しいし、純太の成長する姿も見てみたいので、ぜひとも続きをお願いしたいところです。
次は伝説の人の活躍を見てみたいけど、さて?
ペテン師一山400円 (ウィングス文庫)
嬉野 君
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