「坊ちゃま!いったいどうしたんです」
「スミス」
彼は無表情だった。感情の全く無い瞳がこちらに向けられる。
「決めた。剛を解雇する」
時給に惹かれて、乳母に応募したら、面倒を見る相手は、何でもできる天才だけど、常識とかは持ってない、ヨーロッパの小国の由緒正しき伯爵家のお坊ちゃまだった。高校三年生の竜川剛が、通称バブーの引き起こすトラブルに巻き込まれシリーズの第三弾。今回は、砂男という妖怪の都市伝説が小学生の間で流行りはじめ、町内に混乱が走る中、バブー調査をしだしたかと思いきや、ある日突然剛を解雇すると言い出して……というお話。
ここにきて最強のゲスト登場ですね。あのバブーですら避けて通るという砂男の正体には、爆笑しましたよ!お坊っちゃんも普通のところがあったってことを知ってにやり。
それにしても砂男話はともかくとして、その後にバブーや剛を襲った悲劇は、なかなかきついものがありました。脅迫というのは、わかっていても身動きがとれなくなるんですよね。乳母の解雇というどちらにとっても何らメリットをもたらさない状況に追い込まれていく展開は、読んでるこっちも辛くなるものがありました。
でも、そこを乗り切った後のバブーの絶好調っぷりといったら!友人宣言がどれほど嬉しかったかが伝わってくる彼の喜びように、こっちまで嬉しくなってしまいます。
やられたらやりかえすバブーの奇策と、100倍にして返すバブー母の行動力に乾杯。
これで最終巻とはなんとも寂しい限りですが、その後のお話もちょっとだけ読めたのは嬉しいかな。肝心のあのふたりは、いつまでも今と同じような関係でいるんじゃないかなあと、そんな想像をしてしまいますね。
問題はだ。お互いお嫁さんをもらえる日が来るのかってことで……
パートタイム・ナニー (3) (ウィングス文庫) (新書館ウィングス文庫 134)
嬉野 君
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