人間とモンスター——《神話的人類》の共存する大都会、アイオニア連邦ブルームフィールド市。田舎から出てきたばかりの新米捜査官ジョエルは、着任早々《神話的人類》専門の部署に配属される。実は《神話的人類》恐怖症のジョエル。だが、コンビを組むことになったカートは、意地悪でひねくれ者で、しかも吸血鬼だった——…!! 登場人外率120%でおおくりする縞田理理のミラクル·モンスターワールド開幕!!
マーメイド、スフィンクス、ミノタウロスなどといった≪神話的人類≫との融和を宣言したブルームフィールド市で、犯罪捜査局の捜査官になったジョエルが、ひねくれものなヴァムピールのカートとコンビを組んで、《神話的人類》絡みの事件に関わるお話。
これは、いいなあ。
幼いころから怪談話に触れていたおかげで、≪神話的人類≫と接することにおっかなびっくりだったジョエルが、スラム街での揉め事、脅迫事件、芸術家を狙う事件、子供の救出事件などを通じて、少しずつ偏見が無くなっていくところが、とてもいい。建前を守ろうとする心意気もさることながら、どんなに辛くとも、困っている人がいたら何とかしたいと思う彼の人柄が、周囲の人外から気に入られるところなんだろうなあ。
一方のカートは、怖がるジョエルを脅したり、他の捜査官にも冷たくあたったりと、人に対して壁を作っている印象があったけれど、捜査を通じていくうちに、口の悪さや嘘は、ヴァムピールとなってしまった自分を守るための防御壁だったんだなあと言うところが見えてきて、少し切なくなるものがありました。
それだけに、すぐ離れていくだろうと思っていたジョエルが、側にいてくれて、お節介なことをしてくれるのは嬉しかったんでしょうね。相変わらず口は悪いけれど、だんだんとジョエルに心を開いていく様子が見えて、ああ、素敵なコンビになってきたなと思いました。
一口にモンスターといっても、栄華を極めたものもいれば、差別や貧困に苦しんでいるものもいてと、ほとんど人間と変わりないんですけど、ただモンスターというだけで、≪神話的人類≫を良く思わないものたちが、裏できな臭い動きをしているようなので、このあたり今後どうなるか気になりますね。
個人的には、ヴァムピールの女の子、ミリシャの思いがどうなっていくのかも、気になります。
モンスターズ・イン・パラダイス〈1〉
縞田 理理
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