あとちょっとでラノンに帰れるんだ。フィアカラの言葉に浮かれる妖精たちだが、少しずつ、様子がおかしいことに気づいていった。その間、フィアカラはクリップフォード村で、着々と準備を進めていく。
一方、かつての同盟のメンバーたちを助けるために、ジャックたちは村へやってきたが、フィアカラはさらなる企みを企てていて……
ネオ・フェアリーテール物語の最終巻です。この面子ならフィアカラでもと、期待に高ぶっていましたが、楽天的になれないというランダルの言葉どおりでした。さすが冷静です。
ラノンへの帰還を餌にされた妖精たちが、少しずつ冷静になっていくところが、切ないですね。けっしてこっちの世界が悪いわけじゃなくて、ただ、ラノンにも還りたい。こちらで家族を持った人たちの板ばさみな感情が伝わってきます。
フィアカラの企みを阻止する為に、クリップフォード村へと訪れたジャックたちでしたが、まだまだ新たなことが出てくるんですねぇ。プロローグ的なところで、ラムジーのお母さんも?と思ってましたが、大活躍じゃないですか。アグネスのお父さんの頑固ものっぷりと、でも心を許した相手には力強く思えるところは、やっぱり親子だなあと思いましたね。
ギリギリだったとはいえ、せっかくフィアカラを追い詰められそうだったのに、逃がしてしまうなんてジャックは優しすぎるよと思っていたんですが、まさかまさか、こんな展開が待ち受けているとは思いもしませんでした。壮大な望みが作り出したモノが、実は……と、あまりにも綺麗にピースがハマっていくので、ゾクゾクさせられましたね。円環の素敵さにやられました。
いやあ、面白かったですね。
最後に「花の名は<<風>>」という登場人物全員集合の後日談みたいな短編が収められているんですが、もう嬉しくて嬉しくて。会う人会う人から温かさを感じて、ああいいなあと思いましたが、何と言っても楽しかったのは、レノックスの奮闘ですね。淡い恋に焦る姿とショックに落ち込む姿は、可哀想なのに笑いました。
ま、そんなときでもしっかり世話好きっぷりを見せてくれるから嬉しいんですけど。ジャックの自身の気づかぬ思いをくみ上げるランダルの手腕にグッジョブ!と言いたくなりました。
この人たちのお話がこれで終わってしまうのは、残念ですが(まだまだ読みたかったよ!)、とても楽しませてもらったので、他の作品も追ってみたいと思います。どんな物語が待ち受けているか楽しみですね。
霧の日にはラノンが視える〈4〉
縞田 理理
P.S.
それにしても、シーシャルは微妙な男にひっかかるタイプなんでしょうか。いや、大道芸が悪いとは言わないですけど、なんていうか、こう、ね。
そう思ってしまうのは、レノックス好きだからかしら。
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