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[菅野彰] 屋上の暇人ども

体育科から普通科へと転部してきた譲と、幼馴染の未来の二人しか所属していない天文部に、ある日、とてつもない問題児がやって来た。中学時代に三十六回補導されて、三回鑑別所にいったという噂の男たち、百間鴫、凌霄夏女が。
何とかして追い出そうとする未来だが、彼らの様子に噂ほどの酷さを感じなかった譲は、入部届を受け取ってしまい……

soundseaさんからのオススメ本。誰もが認める問題児二人と関わる事で、怪我で陸上を止めることになって、宙ぶらりんとなった特待生の譲と、譲に責任を感じている未来が、自分の居場所を確認していき、問題児二人も今までどこにもなかった自分達の居場所を見つけていくお話です。

分かり合えないと思っていた不良たちだったけど、話をするに連れて、彼らには彼らなりのルールがあって、目立つところはあるけれど、自分たちとそんなに変わらないってことに気づいていく展開がいいですね。

噂に惑わされながらも、素直な目でみるのが譲のいいところですが、逆に人を信じすぎるところも感じるので、未来からしたら放って置けないことこの上ないですよね。真面目で勝気な未来が、何かと鴫や夏女に突っかかっていったのは、自分よりも譲のためって感じがありました。これで付き合ってないとか言って、誰が信じるんだか。噂は噂と思っていたら、実は……というあたり、なかなかヘビー。鴫と夏女の依存といってもいい関係には、はじめはBLっぽさを感じていたんですが、内面が見えてくると、友情というか家族的というか、そういった距離感に見えてきました。
鴫が夏女に対して過剰な反応をするのは、守ってやらねばという思いと、夏女が自分を必要としているのかという不安から来るってところに、人の感情の難しさを感じました。夏女の態度を見ていれば、鴫から離れるとは思えないけど、やはり当事者だと見えないものがあるんでしょうね。思春期ならではの迷いや痛みが、繊細に描かれていました。

いやあ、面白かったです。それぞれが内面を見せ合ったことで、ひとつの居場所が出来上がっていくという展開が素敵でした。できれば、譲と未来の関係がもうちょっと発展してくれれば……と思わなくもなかったけど、調べてみたら続編があるんですか。なら、そっちも読んでみないと。
鴫と夏女の関係や譲と未来の関係、天文部はどうなっていくのかとか(ヘタれな先生が実はお気に入り)、とても楽しみです。

屋上の暇人ども - 菅野 彰

屋上の暇人ども
菅野 彰

新書館(文庫)
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