爵位を継ぎ、トルヴァン伯爵となったデレクは、人に言えない手癖の悪さがあった。訪れた家にある「何か」を無意識のうちに持ってきてしまうのだ。持ち出してしまったものは、誰にも気づかれぬよう、こっそり川へと捨てたりしていたが、ある日、そのことを突きつけてきた黒髪の青年が、デレクの屋敷に滞在したいと言い出して……
青髭エバラードによる連続殺人事件が世間を騒がしている中、爵位を継いだばかりのデレクが、彼の元を訪れた知的で怪しい魅力を持ったモリアーティに振り回されながら、事件へ関与していく……みたいなお話。
サブタイトルから連想できるように、シャーロックホームズが実在して、その頃のロンドンを舞台にした物語です。殺人事件ものではあるんですが、メインの謎は、モリアーティの正体と目的な気がする。
正体を突き止めようとするデレクの問いはさらりとかわし、必要な情報を手に入れていくやり取りが、なかなか良かったです。ただ、弱みがあるとはいえ、デレクが彼に対して、強く出れないのがイマイチわからなかったけど。そんな中、モリアーティに導かれるように、事件というかアングラな方面にデレクが関わっていくんですが、何と言っても良かったのは、幼い頃、この地に独りでやって来たという過去から、どこか斜に構えていたデレクが、幼い少女マチルダのおかげで、深みにはまらず、前を向いていくところですね。子どもらしい可愛らしさと、ハッとさせられる明晰な言葉と、ちょっと背伸びしたデレクへの思いに、心安らぐものがありました。デレクの心を取り戻すお話として、個人的に好きですね。
モリアーティや情報屋なパイクとの心を惑わすような雰囲気が、怪しさの魅力を感じさせてくれましたが、事件の謎については、ちょっと幻想というか惑わすものが多すぎて、うーんと思わなくも無かったです。ちょっと好みに合わないというか……。
とはいえ、ホームズものを知ってる人なら、にやりとさせられる描写がいくつかあって面白かったです。いや、僕もそれほど詳しい訳ではないので、気づいてないところがいろいろあるんでしょうけど。
(1)ってことは、シリーズものとして続いてるんだろうけれど、一番魅力を感じたデレクとマチルダが、今後も出てくるんであれば読みたいかな。どうも例の人に魅力を感じないので……。それともシリーズを続けて読むと、もっと魅力溢れてくるのかしら。
とりあえず、もう一冊ぐらい読んでみる予定。
エキセントリック・ゲーム―シャーロキアン・クロニクル〈1〉
真瀬 もと
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Comment:2
- t-snow 2007-08-29 (水) 22:44
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2巻もデレクとマチルダはメインキャラなので大丈夫です。 ただ3巻にはあまり出てこないので、2巻で例の人に魅力感じるかどうかですね。
- deltazulu 2007-08-30 (木) 20:56
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あ、2巻でも登場してくれるんですね。うれしいです。
例の人は気にはなるんですが、どうも……、むしろパイクが主役だったら読みたいかもしれません。







