「クソ魔女どもがぁぁぁ……!」
グィドは怒りに燃えてステージを睨んだが、あの銀髪の少女はもう姿を消していた。こぶしをにぎりしめて震えるグィドに飄々と声をかけてくれたのは、隻眼の執事だけだった。
「白魔女さんたちの宣戦布告、ですな。今晩限りじゃおわりませんぜ、こいつは」
極楽トンボさんの感想を読んで、面白そうだなと思っていたら、いろんな人に勧められたので、本編を手にとってみました。
魔女の養成学校である聖エレオノーラ女学院に通うキアラは、素質はあっても集中力がなく、魔法の制御がうまくない。それでも一生懸命、勉学に励んでいたある日、立った人りの家族である兄を殺されて、復讐のために禁断の黒魔術に手を出そうとしたが、冴えない貧乏旅行者アーダルベルドに阻まれて……そしてさらなる悲劇が起きるというお話。
面白い……けど、物足りないと言うか、なんだろう。あとちょっとでもっと面白くなりそうなのに、違う方向へ言っちゃう感じがする。それはそれで面白いんだけど、なんか、こう、ね。
一番初めに感じたのは、アーダルベルドとの出会いのところ。てっきりキアラの仲間になってくれるのかと思ったらそうじゃなくて残念だなあと思ったけど、清楚に見えて気の強いキアラのやり込めっぷりにニヤニヤできたので、あまり気にならなかったけど、次にアーダルベルドが出てきた時が拍子抜けしちゃいました。
兄に手をかけた荒くれ一家に対して、女学院の魔女たちが懲らしめにかかるところの痛快さと、そこに立ちはだかるのが……ってところで、アーダルベルドが正体を表したときには、すっげー興奮したんですけどね。まさかの対決!と思ったら……うん、でも悪くないんですけどね。ちょっと拍子抜けるわけです。
まあ、このあたりは単に僕の期待と違う方向に行ってるだけなのでいいとして、お話に戻る。
女学院とマフィアの間でいざこざがある間に、マフィア一の殺し屋が何ものかに殺されて、しかも魔法が使われているらしいとなると……というあたりから、マフィア側は女学院を、女学院側はマフィア側にいるアーダルベルドを怪しんで。
調査をしている間に、世界観の説明などもあり、そこから犯行の動機や、魔女として生きることの重さなどが見えてくるんですよね。女学院コンビもよかったけれど、それ以上にトロイのにずうずうしいアーダルベルドと、やさぐれながらきっちりしてるリュディガーのマフィア側コンビが良かったです。
ここまでだったら、まあ普通かなと思うんですが、最後にいわゆる探偵役だったアーダルベルドの隠されたものが見えて、おおっ!と思いました。なるほど、オススメしてくれた人たちが「二巻から動くよ」と言ったのも分かる気がします。
これからどんな感じになっていくのか楽しみですね。
魔女の戴冠〈1〉 (幻狼ファンタジアノベルス)
高瀬 美恵
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