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[金庸] 秘曲 笑傲江湖 2 幻の旋律

笑傲江湖の継承者を見つけてほしいという劉と曲洋の遺言、さらに林平之の両親の遺言を聞く事となった令狐冲は、華山に戻った後、師父より一年の座禅を申し付けられた。玉女峰でひとり座禅と修行を繰り返す日々を続けていた令狐冲だが、食事を届けてくれていた丘霊珊との間に溝を感じ、さらには、華山派の絶技を打ち破る剣技を発見してしまい……

素行の悪さから、ひとり山に篭るはめになった令狐冲が、丘霊珊への思いと、華山派の裏に振り回されていくお話です。いろいろな視点で描かれていた前作とは違って、令狐冲視点による物語になりましたが、これは面白すぎ。読む手が止まらなくて、あやうく仕事休むところでした。

令狐冲が丘霊珊に好意をもっているのはわかってましたが、まさかこれほど恋焦がれていたとは驚きです。丘霊珊を目の前にしてからは、溢れんばかりの好意が伝わってきて、まるで子どものようでした。丘霊珊と稽古する林平之に嫉妬したり、すれ違いから丘霊珊に嫌われたと思い込んだときの落ち込みようと言ったら!戦いのときの冷静さとは全然違いますね。

そんな令狐冲が、儀琳のもとへ連れて行こうとする田伯光と対立するんですが、師父の教えを守ろうとしているはずなのに、気づかぬこととはいえ、いつの間にやら、師父の教えから外れていくところは、何とも言えないものがありました。
強くなればなるほど、読んでる身としては、不安がよぎるばかりですが、一因となった田伯光は憎めなかったなあ。殺し合いに発展しそうで発展せず、むしろ力を競い合うような田伯光と令狐冲の戦いの面白さったらないですね。強くなっていくことを実感させられる展開に、惚れ惚れ。漢と書いて男と読むような二人に、信頼感とか絆が芽生えていくところが素晴らしかったです。まあ、これはこれで、問題があるんだけど。

田伯光や桃谷六仙が、令狐冲を儀琳のもとへ連れて行こうとするのは、なぜかと思っていましたが、これがまた楽しい限り。お父さん、パワフルすぎ、面白すぎ。全力で直球しか投げないお父さんの言葉に、顔を赤くして否定する儀琳のかわいいことかわいいこと。この姿を見て、恋焦がれてないなんて、誰が信じよう。個人的には、儀琳大好きっ子なので、彼女の思いが届いて欲しいけど、さてさて。

そんなこんなでいろいろありましたが、何と言っても面白かったのは、後半も大詰めになってから華山派の一派が追い詰められていく怒涛の展開ですよね!圧倒的迫力とスピード感にはやられるばかり。よりによって、一番弟子である令狐冲が足手まといにしかならないとは、と勝手に悔しさをかみ締めていたときに、例のことが生きてくる展開に大興奮ですよ!いやあ、かっこいい。

超絶に面白い展開に、満足してましたが、よくよく考えてみたら、あの技を見て、師父はどう思うんだろうと不安になってきました。秘笈のことで、溝ができてる(ように感じる)ところもあるし……。
全く持って予想がつかないだけに、これからどう物語が転んでいくのか、とても楽しみです。

しっかし、次から次へと強いやつが出てくるなあ。

秘曲笑傲江湖 2 (2) - 金 庸

秘曲笑傲江湖 2 (2)
金 庸

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[book]金庸 「秘曲 笑傲江湖 二 幻の旋律」 (徳間文庫) from 鍵の壊れた部屋で見る夢 2007-08-18 (土) 10:46
総帥の命により山にこもることになった令狐冲は恐るべき剣譜を発見してしまう。 それは五嶽剣派の絶技をことごとく打ち破るというもので……。  複数視点の群像...

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