どうか、おばあちゃん。
黄泉路に下ってしまう前に、そうして祖霊の列に加わってしまう前に、教えてほしい。
あなたを殺したのは誰なのか、を。
明らかに不自然な死に方をしたのに自然死とされた祖母。調査を依頼するのなら探偵よりもオカルト方面のほうがいいのではというクラスメイトの意見を聞き入れた麻里は、クラスメイト仁希を介して「拝み屋よりもっとすごい人」に調査を依頼したら……というお話。
拝み屋よりもすごい人という、かつて閻魔大王とのつながりを持ったとされる小野篁の末裔、閑がとても面倒くさがり屋で、麻里のクラスメイトであり、閑に仕えてメイドしてる仁希が、家計のために焚きつけるやりとりはとてもコミカルでニヤリとさせられる。
さりげなく恋愛感情っぽいものを匂わせてくれるのもいいですね。閑はちょっと複雑というか、捻くれた感じがしますが。
ともあれ、友のおかげで、祖母の死の調査が始まるわけですが……追う内に、もう一つの顔が見えてくる展開は、優しき祖母の思い出ばかりを持つ麻里の信条を思うととても辛かった。
決して敵とか仇とか思っているわけじゃなくとも、心の安らぎを傷つけられたら、心を思ってくれなかったら、魔が差すことってあるよなあ。
それでも、決して忘れてはいけないと、目を逸らさなかった麻里の姿が印象的でした。
死を目の当たりにして、悲しみもあったけれど、でも、自分の知っている祖母は、いなくなったわけじゃない。そう思えるラストに温かい気持ちになりました。
このコンビというかユニットの活躍は、ほかの話でも見てみたいですね。続きが出てくれたら嬉しいです。
はかなき世界に、最期の歌を―宵月閑話 (トクマ・ノベルズEdge)
佐々原 史緒
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