「覚えておいて。閉じ込められるのと、閉じ籠るのとは違うのよ」
響子が言った。
「太陽はどこにあっても明るいのよ」
高校卒業から十年目のクラス会。話題となったのは女優になったクラスメイトの「キョウコ」のことだった。次の時には彼女も呼び出そうと、みなで計画を立てるが、その実、彼女を思うとき、高校時代の罪が思い起こされて……高校時代にクラスの中心人物だった男女五人が、キョウコとの過去を思い出しながら、今の葛藤を見せる連作短編集です。
これは重い。クラス会の賑やかな雰囲気が、一歩離れるとまるで別に見えてくる。見栄を張り、優越感に浸る人達が恐ろしかった。でもその優越感はコンプレックスの裏返しでもあるし、実は他の人に見透かされていることもあるから、読み進めて行くにつれて、読み進めるに連れて、人の心のドロドロが、澱のように溜まっていって苦しくなりました。悪意というのは、ほんの些細なものであっても、心に残るものだと思う。
嫉妬や優越感が張り子だったことに気づいたときには、崩れ落ちそうになることもあるけれど、でも、そんな彼ら彼女らを支えてくれる人は、どこかにいるんですよね。各話のラストを読むと、スッと救われるような気持ちになって、ああ太陽とはこういう意味なのかと思う次第です。
それにしても、さりげなく仕掛けられていたトリックにはやられました。え?と思った後に、肝心の人の物語が描かれたら、惹きこまれるに決まってる!
良かったです。
太陽の坐る場所
辻村 深月
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