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[小川一水] 天冥の標(1) メニー・メニー・シープ(下)

「続けろ」
アリクラの頬がこわばる。それは恐怖のこわばりだ。
「続けるんだ。<海の一統>の伝説を。大いなるものにあらがに、星を踏み越えて飛んだ猛々しさを思い出せ。俺たち<恋人たち>が憧れてできなかった、果敢な反抗な姿を見せ続けろ!」

植民地を求め宇宙へ向かい、しかし宇宙船にトラブルが起きて、たどり着いた惑星メニー・メニー・シープの三百年後を舞台に、臨時総督であるユレイン三世の圧政に不満を抱いた者たちが立ち上がる物語。

ちょっとまて、なんだこの展開は!
領主の思惑を知り、立ち向かうべく動き出す人たちの戦いがとても面白い。ある者は武力を、ある者は政治的に立ち向かい、といった具合に、それぞれが決意を胸に動くうちに、繋がりができていく展開に引き込まれました。

恋におぼれるかと思ったエランカの立ち上がる姿や、思わぬところで再会したイサリとかいいよねー。まったくカドムも変に意識しなければ、普通に接することができたろうに、素直じゃないんだからと思いながら見てた僕がいる。

反乱を起こした者たちに対して、沈静化を狙う領主側は、力こそあれど統一されていないおかげで、五分の戦いを繰り広げることになるんですが、こっちはこっちでユレインの怯えっぷりがすごくて、何が起きてるのか疑問を持ちながら読み進めてたら……そういうことか。

領主を倒すために、アクリラ率いる「海の一統」とエランカとその賛同者、カドム、さらには「恋人たち」が手を組んで挑む戦いは、様々な悲劇も待ち受けていたけれど、それでもようやく光を手にした矢先に、まさかこれほどの驚愕が待ち受けてるとは思いもしなかった。
倒れていく人たちを見るのが辛かったけど、それ以上にこの絶望はどんな展開になるのか予想つかなくてドキドキする。

つ、続きを、早く続きを!

それにしても、カヨの話はわかっていたけれど泣けた……

天冥の標〈1〉―メニー・メニー・シープ〈下〉 (ハヤカワ文庫JA) - 小川 一水

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