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[茅田砂胡] マルグリートの輪舞曲 クラッシュ・ブレイズ

「そういうことならそのキアランに蹴りでも拳でも、存分に入れてやればいいんじゃない?」
「そんな程度で許してやれると思うのか?」
声の温度がさらに下がった。ほとんど氷点下だ。
「有名人だか知らないが人気選手だか、満座の中でドミを侮辱して、笑いものにして、あげく泣かせた奴なんだぞ。二度と立ち直れないくらい、徹底的に叩きのめしてやらなきゃ気がすまない」

今回はデート三部作なんですが……、ゴージャスなのに、色気よりも獰猛な恐ろしさを感じるところが、さすがクラッシュ・ブレイズシリーズだなあ。

  • 姉を侮辱したプレイボーイな男に精神的な仕返しをするには……、男のプライドを打ち砕くために、リィがゴージャスな「昔のリィ」に変身して……「優しい狼
  • ジンジャーから舞台に誘われ、引き換えに「とある条件」を飲まされたヴァンツァーは、美しき青年に変身させられて……「初戀の詩
  • 正装した怪獣夫婦がジンジャーの舞台を見に行ったら、なんとジャスミンが誘拐されて……?「怪獣の宴

ああ、もうどの話も面白すぎです!
とある日を中心としてお話を進めているので、ところどころリンクしあうんですが、ああ、この人はこのときにこんなトラブルに遭遇してたんだなあとニヤニヤしちゃうものがあります。しっかし、まあ、なんていうか、全員トラブルメーカーだよね。唯一まともなヴァンツァーは、人が良すぎるというか……、うん、がんばれ。

お姉さんのために怒りを露にするリィの復讐劇「優しい狼」ですが、リィが艶やかな美女となったら、そりゃ、男性だったら興味を引かれること間違いないと思いますが、あの態度を我慢できるのかといわれたら、難しいと思います。にもかかわらず、惚れた弱みというか、スクールのフットボールのエースが、ちょろちょろ動き回るあたり、怖いもの知らずにもほどがある。
ルウやシェラがびくびくしながら様子を伺う姿が笑えました。

圧巻はもちろんジンジャーの舞台を見に行くという誘いを受けたリィの大変身っぷりでしょう。シェラが存分に腕を振るった姿は、どれほどゴージャスになったか、想像するだけでドキドキしちゃいます。にもかかわらず、見かけた人たちみんなが、「非常に怖いもの」と認識するところが楽しかった。
色気たっぷりな男たちの競演も楽しかったけど、最後には、姉と弟のいい関係がみれてよかったです。

ジンジャーに恋する少年をあきらめさせるために、ジンジャーの恋の相手として選ばれたヴァンツァーが事件に巻き込まれる「初戀の詩」。個人的には、事件はどうでもよくて、ジンジャーとヴァンツァーのデートに注目しまくってました。あのジンジャー相手にして、臆することなく付き添う姿が格好いいったら、ありゃしない。

まあ、途中で金色狼にあったときとか、かなりげっそりしてましたけど、それはご愛嬌として、今まで考えたことなかったけど、ジンジャーとヴァンツァーの組み合わせはいいなあ。このシリーズの主要登場人物の中では、一番まともなカップルになりそう……って、これがまともに見える時点でどうかと思うんだけど。
最後にちょっとだけジンジャーに興味を持ったようなヴァンツァーの様子を見ると、ありえなくもないと思うので、大いに期待したいところ。

そして一番怖いデートといえば、怪物夫婦のデートでしょう。タイトルからして「怪獣の宴」って、どんなん!?と思ってましたが、いやあ、着飾った二人が並ぶと、なんて目立つことか!珍しくも自らを飾り立てるジャスミンですが、ケリーに意外な顔をされたとき、ちょっぴり膨れるところとか可愛くてしょうがない(あくまで普段の当人比で考えた場合である)。

それにしても、人違いでジャスミンが誘拐されることになるとは、思いもしませんでしたが(間違えるか普通?)、誘拐された奥様よりも、誘拐した犯人を可哀想に思う旦那さん、ダイアン、ルウたちの気持ちに賛同してしまう僕がいる。
いつもに比べたら、やけにジャスミンがおとなしいなあと思いましたが、最後で納得。最愛の人との乾杯のシーンがとても素敵でした。
あれを食前の運動と言うあたり、どうかと思うけど。

いやあ、面白かった。
いつもの面子の中では、シェラがあんまり活躍しなかったのが残念です。リィを飾り立てるために、チラッと出てきただけだし。そういう意味では、ルウもそうか。変身させるだけだったような。今度は、このふたりについても、何らかのデート模様を見てみたいですね。

マルグリートの輪舞曲 (C・NovelsFantasia か 1-49 クラッシュ・ブレイズ) - 茅田 砂胡

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