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[海原育人] 誰かのリビングデッド 1 不浄

貧困から野菜を盗んだらパン屋の親父にとっ捕まって、なぜか気に入られたプラスはパン屋の下働きをすることになったが、ある日、畑に死体が埋まっているのを発見した。あわてて掘り起こしてみたら、突如その死体が動き出して……

創造主を捜し求めて三年。疲れきって自殺志願をはじめたリビングデッドのデルと、お人よしなプラスが、繰り広げるドタバタ魔法コメディです。これはサクっと読めるお話ですね。

野菜泥棒したプラスがパン屋で下働きするって、なんでだ?と思うぐらい強引なんだけど、不思議としっくりきちゃうんだよなあ、パン屋の親父フォレストの言動は。口も汚いし、すぐ手が出るような人なんだけど、認めた人には手を伸ばしてくれるあたりが、頑固親父っぽくって好きだなあ。
美人だけど口数少ない娘のフリーと共に見せてくれる家族的な温かさが、とてもよかった。

そんな中、プラスがデルを拾うんですが、リビングデッドなわりに明るくて、何かと前向きな姿には、思わず笑ってしまうものがあります。特に、店の常連である元気な少女ナムとブラスが喧嘩したときのお説教には爆笑しました。自殺願望のあるリビングデッドが人の道を説くって、なんて笑える図なんだろう。

で、お話が進んでいく間に、魔法使いが町を治めているという世界観が原因となる問題が浮き上がってきて、ナムが思いつめたことをしていくんですが、このあたりは、ちょっと物足りなかったかな。
人を傷つけたくないと思ったプラスが、ナムを思ったが故の行動に出るところは、弱いようで、でも、人のために立ち向かう強さもあって、結構面白かったんだけど、実際に身の危険を感じているときでも、躊躇するプラスを見てるとどうもねぇ。そこまで回避する理由がよくわからなくて、それゆえかどうかわかりませんが、個人的にはサスペンス度が上がらなかったです。

最後は予想通りでありながらも、思わずニヤリとしてしまうものがありましたが、今後は三人の旅になっていくのかな。頑固親父が出てこないかもしれないってのは、残念でなりませんが、まあ、友人たちの冒険ってのは面白くなるかもしれませんね。

誰かのリビングデッド 1 (1) (C・NovelsFantasia う 2-4) - 海原 育人

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