「釈明をする気はないのね?」
「それだけで済むと思うのか?」
問い返され、女司祭は小さく肩を竦めた。
「私はな」
ブロンデルも席を立った。話は終わりだ。
「ただ、猊下暗殺の真実を知りたいだけなのだ」
龍族、鳥族、犬族、猫族、人族、またその混血などが住む世界で、最下層である人族のベルネが、龍族と出会う旅に出るお話の第四弾。今回は、傭兵集団「鋼の風」を離れたレスティ(=ベルネ)が、前教皇の聖騎士団長ブロンデルと共に、龍族と出会う旅に出るて……というところから話が始まります。
うーん、いや、面白いんだけど、今までの傭兵集団「鋼の風」の物語が魅力的過ぎたおかげで、新たな場所で語られるお話に、ちょっと物足りないものがありました。人……というか人じゃないんだけど、そこで生きている人たちの魅力ってのが、都会にくると無くなるのは、何とも言えない皮肉ですね。
とはいえ、レスティについてきたブロンデルはいい味出してくれてましたけど。教皇暗殺を阻止できなかったとして、悔やむあまり、教皇庁からの呼び出しを無視して、暗殺の黒幕である龍族の元へ向かおうとするんですから、不器用な男です。ちょっと頭固いところもあるんだけど、旅を続けていくうちに、価値観が変わっていってる様子が見えるのはいいですね。
手がかりが無いまま、日が経っていったとき、龍族の研究をすると言い出した犬族の女学者の噂を聞きつけて、訪ねた先で出会った聖典を第一とする原理派との出来事は、暗い気持ちになるものがありました。正義を声高に叫ぶ者の汚らわしさが、印象的でした。
女学者のフローレンス、龍族に会ったことがあるという酔いどれ鳥族ロッシなど、旅を続けるうちに、仲間も増えていくんですが、個人的に一番嬉しかったのは、ベルネ時代に出会った人との再会かな。
あのときの子が立派になって、みたいなものもあったりしましたけど、それより何より嬉しかったのは、猫族混血の娘が、レスティを追ってきてくれたことですね。恩があるといいながら、照れてる時点で、思いの一端が見えますが、さて、彼女の思いはどうなるのかな……と思ってたら、フローレンスが異常に気づいてしまいましたか。うわー、どうなるんだろ。
このあたりの様子も気になりますが、外は外で気になりますよねぇ。なんせ、王国が軍を動かし始めたんですから。残り一冊でまとめ切れるのかという余計な心配をしてしまいますが、楽しみに待っていたいと思います。
巡歴者 創世の契約 4
花田 一三六
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