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[茅田砂胡] ミラージュの罠 クラッシュ・ブレイズ

モンドリアン、と呼びかけられたとき、リィは思わずぎょっとなった。振り返ってみれば、惑星ツァイスで知り合ったダグラスが、なんと体験留学で連邦大学にきたというのだ。あのときのことを騒ぎ立てられるのは好ましくないと考えたリィは、彼の誘いを受けたが、その帰り道でダグラスが誘拐されそうになって……

偽名で潜入した惑星ツァイスで知り合ったダグラスが誘拐されそうになったところをリィが助けたら、その後ダグラスを暗殺しようとするものが現れて……というお話。

リィが慌てる姿なんて久しぶりに見るなあ。まあ、正体を偽ってたときの人と出会うとさすがに気まずいですよね。特にこっちでは普通の人として生きようとしてるわけですから。そういう意味では、どちらかといえば弱みがあるのに、尊大な態度を崩さないリィが素敵過ぎる。

ともあれ、だたの学生であるはずのダグラスが、なぜか故国ダルチェフの政府から狙われるはめになり、しかも相手は存在すら確認されていない暗殺組織「蜃気楼」と武装集団「不死鳥」。この時点で、どういう展開になるか予想がつきますし、その通りになるのに、どうしてこう面白いんだろう。

「あんな子供など」と言い放つお偉いさんたちが、どういう目に合うかとか、暗殺集団や武装集団が、リィにシェラ、さらにレティとヴァンツァーが出てきたら、赤子の手を捻るようにやられていくところとか、水戸黄門的とでもいいましょうか。勧善懲悪の魅力が満載で、楽しくて楽しくてしょうがない。

ただ、ストーリィ展開はオーソドックスで、ワンパターンでもあるから、物足りないといえば物足りない。今回は怪物夫婦が出てこないし、ルウだって何をやるわけじゃないし、リィたちだって全力を出すことなかったし。っていうか、レティとかヴァンツァー無理やり出してない?ってぐらい、いいように使われてますね、お二人さん。

いつもどおりの面白さはあるけれど、前作のパピヨンぐらいの弾け方があってくれたらと思ったりもする。この怪物ぞろいな連中全員が苦戦するような出来事があってくれたらなあと思うんですが、さてさて。

ミラージュの罠 - 茅田 砂胡

ミラージュの罠
茅田 砂胡

中央公論新社(新書)
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Comment:2

夜狩野 2007-07-30 (月) 18:44

>この怪物ぞろいな連中全員が苦戦するような出来 事があってくれたら

あるいは、「そう」なのかもしれませんよ?
彼らが遭遇した事件は、「本番」にそなえての
「練習試合」なのかもしれない。
デルフィニア世界へリィが飛ばされたのも、そ
の「決戦」にそなえてのことかも?

deltazulu 2007-07-30 (月) 20:14

「そう」なんでしょうか。だとするとすごい楽しみです。期待して待ってようっと。

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