ダイアナが自己改造をするので休暇を取りたいと言いだしたため、ケリーとジャスミンは別の船を借りて遠出することにした。だが、はじめて訪れた星系で、突然宇宙海賊に狙われ、かろうじて逃げ切ったら、今度はジャスミンの相棒クインビーが、奪われてしまい……
クインビーが盗まれたことを受けて、怒り狂ったジャスミンがとある思惑を持って、プリケリマの峡谷競争というレースに参加するというお話です。何でそんなレースに参加するのかというのは読んでもらうとして、いやあ、面白かった。
ジャスミンに対して「女じゃレースなんか無理だよ」と諌めてくる連中が、次にどんな表情をするかってのは、ここまでシリーズを読んでいる人ならわかりきっているでしょうけれども、それでもやっぱり面白い。レースが終わる度に、周囲の人が驚く姿が痛快です。
そんなジャスミンの機体を整備するガストーネがまたいい味出してましたね。始めは整備することを渋っていたのに、脅迫されてしぶしぶ始めているうちに、いつの間にやらジャスミンの腕前に魅了されるのはお約束ですが、飛翔士の言葉に応えていくところは、何ともプロでした。頑固親父系の人って、やっぱり好きだなあ。
ジャスミンとケリーの関係ってとても好きなんですが、相変わらず色気が無いのが笑えます。男の胸に顔を埋めて震えているのに、あれほど怖い人っていないですよね。イラストが超一級品でした。イラストといえば、かわいい格好しているはずなのに、こんなに圧迫感を感じるとは思わなかったのが表紙です。はい。
いつものように、怪物夫婦に歯向かったものは、手痛い仕打ちを受けて終わるという展開でしたが、一気読みさせられる面白さは相変わらずでした。珍しいことに、ダン以外の他のメンバーは出てきませんが、次へ続くお話でもあるみたいなので、そっち側で活躍するかもしれませんね。
今度はケリー中心のお話になるのかな?楽しみですね。
大峡谷のパピヨン
茅田 砂胡
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