父と一緒に発掘していた勝太郎たちは、闇夜に紛れて襲撃を受けた。狙いは父が発掘したモノらしい。逃げようとするも追いつかれ、もうだめだと思ったとき、父は荷を託して勝太郎を馬に乗せた。諦めるな、それが最後の言葉だった。。馬の背に揺られ気絶していた勝太郎だが、とある騎馬民族の集落の人に助けらたが、このままではまた襲撃を受けて、集落の人に迷惑をかけると思い、集落の長の娘サランの案内で、国境線へと向かう事にしたが……
ああ、これはいいですね。少年が少女や仲間の助けを借りて、奪われた竜の宝珠を取り返す物語なんですが、正統派な冒険活劇という感じで、読んでいて楽しくなってきます。
父親を亡くし、かろうじて言葉が通じるとはいえ、他国でひとりになってしまった少年が、何もできないと落ち込みながらも、父親との約束を護るために笑おうとする姿には、何ともいえない気持ちになりますが、同時に心の強さも感じます。
そんな勝太郎を案内する騎馬民族の長の娘サランは、まじめでビシッとしてて、でもどこか影があって。彼女の影の部分について、母親であるツェベルチに聞かされてから、何かできないかと思案する勝太郎はよかったですね。できるかどうかではなく、やろうとしたということが素晴らしい。
また、味方となる悪党たちもいい味出してるんですよ。好漢って言葉がぴったり。行き当たりばったりのようで、いろいろ考えてて、でも何かあると子供のようにはしゃいで。危機をみなで乗り越える展開に、ワクワクさせられましたし、絆を深めていく姿には温かいものを感じました。
ちょっと勝太郎が頭良すぎというか、勘が鋭すぎたり、ところどころに描写が簡潔すぎるところがあるんですが、とても楽しめました。
個人的に印象的だったのは、勝太郎が前に向かっていく姿を見て、自分の弱さを痛感するサランが、少しずつ前を向き始めようとするところですね。誰かのために、というのもいいけど、やはりまず自分のために動かないと。
勝太郎の言動に対して、サランが投げかけていた「馬鹿」という言葉に、だんだんと親しみが感じられるようになるのが、嬉しくなっちゃいました。
異国の生まれの二人ではありますが、最後に交わした約束は、必ずかなえられるんだろうなあ。
結末以降の話をいろいろ想像したくなる作品ですね。
曙光の誓い
花田 一三六
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- ジャラル 2007-01-17 (水) 11:11
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花田一三六の新作は戦前の中国を舞台にした冒険活劇でした。主人公達の味方になる所謂「馬賊」という連中については、横山光輝先生の「狼の星座」を読むと良いでしょう。
作品の印象としては、やはり同じ少年少女の活躍する小説を書いている田中芳樹先生や赤城毅先生には今ひとつ及ばず、精進しなさい、というところですか。







