弟からの電話は驚きだった。
「アニキの会社が放火されるかもしれない」
そして会社のビルが放火された。幸いボヤですんだけど。
似たような放火が連続する中、弟の春が見つけた規則性。
それは放火の前に、近所の塀に落書きが現れることだった。
癌で苦しむ父親の興味を引くために、事件を調べる兄と弟。
そんな時、事件に興味津々だった父が突然言い出した。
「おまえは放火事件に関わらないほうがいい」
いったい父は何に気づいたのか……
広がったと思ったら収束し、収束したと思ったら広がる相変わらずの伊坂節。
まったく関係ないと思われていたことが、実は重要であったりとかはいつものこと。
それよりも何よりも、ところどころで語られる父、母のエピソードがたまらない。
「おまえは俺に似て、嘘が下手だ」
あの場面で、あのタイミングで、この言葉が出てきたとき。
目をつぶって言葉を反芻してしまいました。
他の作品で出てきた人たちが、ちょい役で出てきてくれるのも嬉しかったり。
この作品が伊坂作品の中でも評価が高いのはよくわかります。
この興奮は誰にも止められない!
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伊坂幸太郎
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