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沙漠の国の物語 鋼の旋律 / 倉吹ともえ

「彼女は自分で選んだんだ。守られることは望んでいない。心配するのはいいが、し過ぎるのはただの侮辱だぞ。お前はお前の仕事をしっかりやれ。それで次に会えたときには……」
言いながらゼクスはジゼットの頭を真上からガッと掴み、自分の方へ顔を向かせた。
「死ぬまで放すな」

沙漠に水をもたらすシムシムの種子を植える町を探す「シムシムの使者」だったラビサと、彼女の旅路を付き合ったジセットが繰り広げる冒険シリーズの第八弾。今回は、星読みの徒に囚われたラビサが、聖地でくすぶる不満の正体を知って……というお話です。

ウルハとリードゥのやり取りがとても切ない。お互い大切に思っていたにもかかわらず、言葉にできない掟が、悲劇を生んでしまうことになるなんて……。ラビサの言葉ですら届かなくなるリードゥの様子は痛々しいものがありました。

そのラビサも、イラースの言葉には揺れて、ちょっぴりと混ぜられた毒にやられそうになっていたけれど、真っ直ぐな性格と運で、ギリギリ引き戻せたのは、ホッとしました。彼女の性格上、カッとなって精霊を使ったら、後悔するのは間違いないですからね。

ただ、やっぱり辛くて。寂しくて。そんなときに、いつも側にいてくれた人がいないってのは……ね。会いたいと崩れ落ちる様は心痛むものがありましたが、きっと、次に出会ったらきっと、ジゼットは抱きしめてくれると信じてる。

次が最終巻ということで、そのための種まきが行われていましたが、ようやくジゼットとラビサが合流できるかと思った矢先に、遊撃隊とも言うべき人が動き出しちゃったのはまずいなあ。おそらく、イラースも気づくだろうから、ここからは時間の勝負になりそうですね。ギリギリになると思うけど、間に合ってくれよ、ジゼット!

沙漠の国の物語 ~鋼の旋律~ (ルルル文庫) - 倉吹 ともえ

沙漠の国の物語 ~鋼の旋律~ (ルルル文庫)
倉吹 ともえ

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