「やはりきみは泣いていても可愛いが、そろそろ泣き止んで、もう少し詳しく話を聞かせてくれるかな」
「泣いてない……」
「……あまり説得力がないね」
「泣いてないの。……泣いてないんだからっ」
素質はあるものの色気がなく、踊り子団を次々首になるルゥルゥが、あるとき見知らぬ男に殺されそうになったところを助けてくれたのは、自称・大臣で……というお話。
アラビアンローズの冠がありますが、前作との関わりは一切ありません。単独のお話です。
深山さんのお話って、思いっきり王道で、奇をてらわない展開なんだけど、決して飽きることないのは、それだけ登場人物たちに魅力があるからなんだろうなあ。
ちっこくとも下町で鍛え上げられてきたルゥルゥのおきゃんな姿はとてもかわいく、大臣を名乗るアーシファが、のらりくらりと甘い言葉を投げかけながら、時折寂しさを見せたりして。
ふたりのやり取りは、どこまでも冗談っぽく、でも本気のように思えて、甘く楽しく切なく……良かったです。
ルゥルゥが唯一持っている本物の宝石を巡っている間に、夢が叶う直前になるとは、とても運命の恋らしいですが、逆に踏み出せなくなるあたりが複雑な乙女心ですよね。
まったく、アーシファってば、肝心なところで強引になれないんだからとニヤニヤしながら、最後の場面をみてました。
ただ、あと一押しがないと、このままずるずる行っちゃうかもしれないので、それだけは気をつけてほしいなと願うばかりです。好きな人の側にいられないというのは寂しいことだと思うから。
アラビアンローズ ~ルゥルゥの不運~ (小学館ルルル文庫 み 1-8)
深山 くのえ
関連エントリー
[深山くのえ]
[ルルル文庫]
[ライトノベル]
Home > ライトノベル > [深山くのえ] アラビアンローズ ルゥルゥの不運
Trackback:0
- TrackBack URL for this entry
- http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/3005
- Listed below are links to weblogs that reference
- [深山くのえ] アラビアンローズ ルゥルゥの不運 from booklines.net








