(人生で二回になっちゃうけど、着られてよかったな。似合うって、言われたし……)
ヴェールの下で自分の髪を弄びながら、自然に顔がニヤけてしまっていた。
モデルになって良かった。きっとこんなことでもなければ、彼の前で着る機会など……
そこまで考え、唐突にハッとする。
(あっ……べ、別に、だからといってザオネイルがどうとか、そういう意味じゃ)
願いを叶えることで食欲を満たすカミ・ザオネイルと、国民の幸せのために彼に貢がれた天真爛漫な少女・アイリスの珍道中を描いたシリーズの第二弾。今回は流行の最先端リトベーゼ王国の近くにある町で、婚約者候補である容姿端麗王子キラードと出会って……というお話。
何この面白さ!連作短編形式で話が進んでいくんですが、初っぱなの「全国衣装付け侍女大会」は爆笑しまくり。カリスマ侍女って何だよと思いながら、アイリスを飾りたてる手腕の素晴らしさに拍手したくなる。
着飾ったアイリスが見せる乙女心や、アイリスを見たザオネイルの様子とか、ゴロゴロしたくなるばかり。
最後までファンタジスタしてくれたカリスマ侍女さんにGJ!と言いたい。名前がでてこなかったのが残念と、これほどまでに思った脇役はいないです。
で、いろいろ意識させてくれたあとに、キラード王子がやってきて、アイリスに急接近してくるから、ドキドキなんだ。なまじ、王女であることの自覚を持っているから、隣国の王子を相手にすると動くに動けず、同時に自分が誰を思っているかということが見えてくるところが切なかったなあ。
迷ったが故に離れてしまったこともあったけれど、共通の敵を相手に手を結んだふたりが動いたおかげで、ぎりぎり敵の手から略奪するザオネイルの格好よさにきゅんきゅんしまくりでした。
「呪ったからな」不穏さとは裏腹に、深い愛情が見える言葉にニヤリ。
いやあ、面白かった。サクっと読める王道物語は最高ですね。次なる旅路ではどんなトラブルが待ち受けているんでしょうか。とても楽しみです。
キャンディ・ポップ 2 (ルルル文庫)
倉吹 ともえ
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