Home > ライトノベル > [深山くのえ] 桜嵐恋絵巻 雨ひそか

[深山くのえ] 桜嵐恋絵巻 雨ひそか

「少しずつでいいから、もっと自分のことを考えてくれ。そなたが何もかも諦めてしまったら、俺は悔しいし、淡路や葛葉だって悲しいだろう」
桜姫の瞳が揺れる。そうだ、悩めばいい。諦めるよりずっとましだ。
「忘れないでくれ。そなただって、幸せになっていいんだ」

言われなき出来事で鬼姫と呼ばれるようになってしまった少女・詞子と、人は善くとも不器用さから貴族仲間たちに蔑まされていた少年・雅遠が出会って惹かれあっていくシリーズの第二弾。今回は、雅遠が頻繁に出かけることを不審に思った乳兄弟が、詞子のことを知ってしまい……というお話。

ああ、甘い。名前どおり、普段は雅なんてものから遠く離れたことばかりやってるのに、詞子といるときは、不意打ちのように甘い言葉を投げかけるんですから、胸キュンものですね。本人は狙ってやってるわけじゃないから困りものですが、恥ずかしくも心地よい二人っきり空間が素敵でした。

幸せになることを考えてはいけない、耐えていればすべては諦められると、そう信じて心を閉ざしていた詞子が、雅遠によって心を開き始めてきた直後に、「鬼姫」としての現実を目の当たりにしたあたりには、仕方ないとは思いながらも、やるせないものがありました。特に雅遠が害があったのは、自分が災いを呼んだからだと、自虐する詞子の姿はあまりにも痛々しくて……。

そんな時、さっそうと現れて、やさしく包み込む雅遠の姿は、くーと思いながらも、嬉しくなるものがありました。これまではちゃらんぽらんな印象が強かったけれど、決して頭が悪いわけじゃないところを見せて、さらには詞子を守るために、自分も立ち上がらなくてはいけないと考え始めて、ちょっとずつちょっとずつ変わっていく姿を見ていると、人を好きになるってすごいことなんだなと思える次第です。
詞子もまた、ただただ気弱に流されていただけの毎日から、ちょっとだけはみ出していきそうですし、この二人の出会いは、運命なんだなあとにこにこ。

ただまあ、家同士が犬猿の仲なので、いざとなったらどうなるかはわかりませんが……。っていうか、個人的に気になってるのは、例の弟君ですね。意外とたいしたことないんじゃ……

桜嵐恋絵巻―雨ひそか (ルルル文庫) - 深山 くのえ

桜嵐恋絵巻―雨ひそか (ルルル文庫)
深山 くのえ

小学館(文庫)
Amazon | bk1


関連エントリー
[深山くのえ] [ルルル文庫] [ライトノベル]

Home > ライトノベル > [深山くのえ] 桜嵐恋絵巻 雨ひそか

Trackback:0

TrackBack URL for this entry
http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/2794
Listed below are links to weblogs that reference
[深山くのえ] 桜嵐恋絵巻 雨ひそか from booklines.net

Comment:0

Comment Form
Remember personal info

Home > ライトノベル > [深山くのえ] 桜嵐恋絵巻 雨ひそか

Search
お気に入り

異形の王子と毒を吐く少女の恋の物語

4048700588

他人を寄せつけぬ毒を載せた言葉を吐いていた少女が、王子と伝承と出会ったことで、信じる思いを紡ぐようになる、その祈るような思いに涙しました。懐かしき人たちとの再会もまた素敵。→感想


それは血の繋がらない家族の物語。

4048700480

大きな山や谷があるようなお話しではないんだけれど、クセのある七人のきょうだいが共に暮らすその家には、じんわり温かい家庭がありました。それぞれ抱えているものはあるけれど、この家族ならきっと支え合いながら乗り越えてくれると信じてる→感想


それは「夢利き」が語る人の夢の物語。

夢の上(1) 翠輝晶・蒼輝晶 多崎礼

最高傑作級!辛くとも好きな人と共に歩める幸せ、あるいは人の夢に乗る幸せと切なさ。独立しながら、リンクする物語は、温かさに、人を想う気持ちに満ちあふれて、胸が熱くなる。人が人と出会うことの素晴らしさは、時に眩しくもあり、切なくもなるんだなと思いました。→感想


江戸時代。新たな暦を作る偉業を成し遂げた渋川春海の物語。

天地明察

最高傑作!碁打ちであり、算術家でもある男が、打ちのめされ挫折して挫折して挫折して、でも夢を忘れられず、立ち向かう姿に、どれほど興奮させられたか、泣かされたことか!さりげなく描かれる恋も素晴らしく、読み終わりたくないとこれほど思った作品はありません。 → 感想


左遷された北嶺で隠居生活を堪能しようとした史官ヤエトの前に、皇女が太守としてやってくるお話。

翼の帰る処 上 (1) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-1)翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)

中間管理職的苦労に悩まされるヤエトの姿がとても楽しいですが、それだけじゃなく、北嶺と帝国の歴史的秘密が見えてくる展開に興味を惹かれること請け合い!超オススメです!→上巻感想 / 下巻感想


普通の社会人であるこかげが、異世界の騒動に巻き込まれるお話。

wonder wonderful 上wonder wonderful 下

やさしさで涙する物語でした。あ、もう最高!王宮話やら恋愛要素やらも非常に楽しく、読み進めるにつれてゴロゴロ転がりまわりたくなること必至です!今年一番のオススメ!→感想 上/ 感想 下

なかのひと

Page Top