「一週間度、メリローズ国王室主催でヤヌーのレースがありますの。ロアナ砂漠の入り口、アニエスの町からメリローズまでのレースで、毎年この時期に行われます。私と兄のレイは毎年参加してますの」
「ふむ。たしかそれは賞金レースだったね」
「はい、陛下。2人1組でエントリーが可能ですわ。そのレースで勝ったほうがヴィルフリート様の婚約者というのはどうでしょう。ま、ただの人間ごときに完走できるわけがないですが」
魔界の王子と女子高生の比奈が繰り広げるラブコメ物語の第四弾。今回は、幼いころ、王子と婚約したと言うマリアベル姫が、王子と比奈の間に割り込んできて、というお話。
いくら幼い頃とはいえ、婚約しちゃうなんて……と思ってたら、おまえの仕業かフォルカス!トラブルを作り上げる姿勢は、昔からだったんですね。おかげで、王子は迷惑そうでしたが、そんな王子はいいとして、今回は比奈が頑張りましたよねー。王子を賭けて、魔界のとある国の王女とレースで戦おうとするんですから。
慣れない勉強をして、慣れない動物を相手に傷だらけになりながら、それでも、王子のために、そして王子がいないと何もできないといわれないようにするために、努力し続ける姿が素敵でした。好きな人と一緒にいたいという思いは、こんなにもパワーを与えてくれるんですね。
そんな比奈をハラハラしながら見守ることしかできない王子が、なんかとっても可愛いかった。
それにしても不思議だよなあ。比奈が大ピンチのときに、これぞヒーローという活躍をしているはずなのに、それすらも可愛いという印象になってしまうんだから。
この王子マジックこそが、シリーズの魅力なのかもしれないとか思ってしまう僕の中にある乙女心。マッサージのシーンとか、超萌えるんですけど、どうしてくれよう。
話しそれた。
一回の勝負では終わらなかったのは、王子がビシッと言ってくれなかったことも原因のような気がしますが、ともあれ、勝負を受けていくにつれて、ただの人間である比奈が、どんどんと魔界のお偉いさんたちと知り合いになっていくところに、にんまりしちゃいますね。みんなに認められていけば、いずれ……ね。
最後は王子がきっちりと甘々にしてくれて、とっても満足でした。
次はどうするんだろう。古代種であるレティ話あたりが始まってくるのかな?大事にされてるレティのことなので、きっと王子・比奈、魔王パパともにいろいろやってくれるでしょう。楽しみです。
愛玩王子~琥珀色の風 (小学館ルルル文庫 か 1-5)
片瀬 由良
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