Home > ライトノベル > [ナンシー・スプリンガー] エノーラ・ホームズの事件簿 ふたつの顔を持つ令嬢

[ナンシー・スプリンガー] エノーラ・ホームズの事件簿 ふたつの顔を持つ令嬢

偽名を使って「探し屋」を始めたシャーロック・ホームズの妹、エノーラ。ところが、そこに“あの”ワトスン博士が「エノーラ・ホームズ探し」を依頼してきて!? 兄の影に不安を感じつつ、エノーラが初仕事に選んだのは失踪した準男爵令嬢セシリー探し。しかし、そんなエノーラにシャーロックの捜索の手が迫り…! 令嬢探しと、シャーロックとの推理合戦! 好評ビクトリアンミステリー第二弾登場!

小学館:ルルル文庫/ブログ:7月の新刊

ああ、楽しい。
シャーロック・ホームズの歳の離れた妹であるエノーラ・ホームズは、時代錯誤な兄たちの考え方に猛反発して家出をして、架空の人物を探偵に仕立て上げて、自分はその秘書という役割で探し屋の事務所を立ち上げたら、ワトソン博士がやってきて、シャーロック・ホームズの妹を探してほしいという依頼が舞い込んでくるんだから、さて、どうするのかといきなり引き込まれてしまいました。

ワトソン博士から兄の心配する姿を聞いて心を痛めつつも、白々しく依頼内容を聞いて、ついでに他のところで発生していた令嬢誘拐事件の噂話も聞き出してしまうんだから、したたかさっぷりににっこりしてしまう。

兄の捜索の手から逃れつつ、令嬢誘拐事件を調べて、変装しては真夜中に裏道で情報収集したりと、その行動力には脱帽ものですが、でも、時に寂しさや不安を覚えるところには、まだ十四歳の少女なんだよなあと思うところもあるんですよね。
一度思いっきり危険な目に合ったとき、シャーロックの元へ帰ればいいのにと思ったりもしたんですが、それでも奮起して、犯人捜しに立ち向かう辺りが、彼女の魅力なんだろうなあ。

令嬢誘拐事件では小ざかしい手を使って、家にもぐりこんだはいいものの、捜査に行き詰まり、論理的に考えようとしては躓いていくんですが、たったひとつの鍵から、スルスルっと手がかりをつかんでいくところは面白かったです。
最後にあのシャーロック・ホームズから一本取ったところも、思わずポンっと手を打つものがあって、にやりとさせられました。

いやあ、いいですね。だんだんと兄がエノーラのことを認めつつあるような気がして、ひょっとしたらいつか、兄妹の合同による探偵とかあったりするんじゃないかしらと思ってしまいます。想像するだけで楽しくなっちゃいますが、さて、どうなるのかしら。

エノーラ・ホームズの事件簿~ふたつの顔を持つ令嬢 (小学館ルルル文庫 ス 1-2) - ナンシー・スプリンガー

エノーラ・ホームズの事件簿~ふたつの顔を持つ令嬢 (小学館ルルル文庫 ス 1-2)
ナンシー・スプリンガー

小学館(文庫)
Amazon | bk1


関連エントリー
[ナンシー・スプリンガー] [ルルル文庫] [ライトノベル]

Home > ライトノベル > [ナンシー・スプリンガー] エノーラ・ホームズの事件簿 ふたつの顔を持つ令嬢

Trackback:0

TrackBack URL for this entry
http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/2511
Listed below are links to weblogs that reference
[ナンシー・スプリンガー] エノーラ・ホームズの事件簿 ふたつの顔を持つ令嬢 from booklines.net

Comment:2

ジャラル 2008-07-09 (水) 12:05

シャーロック・ホームズの妹が活躍する翻訳シリーズの2作目です。しかし、このシリーズではいかに女性がビクトリア時代は地位が低かったかを実感させられますね。まあ、それに我慢できなかった女性は今回の令嬢やエノーラやママさんのように家出するしかないんでしょうね。

時期的にいうとボチボチ、ホームズがモリアーティ教授と対決し行方不明になるはずですが、そうなったときエノーラはどう反応するのか楽しみです。

deltazulu 2008-07-13 (日) 18:59

時代が時代だけに、エノーラのような考え方の人たちは苦労したでしょうね。

> 時期的にいうとボチボチ、ホームズがモリアーティ教授と
> 対決し行方不明になる

あ、もうそんな時期ですか。このあたりがどう絡んでくるのかは、シャーロキアンならずとも楽しみですね。続編が待ち遠しいです。

Comment Form
Remember personal info

Home > ライトノベル > [ナンシー・スプリンガー] エノーラ・ホームズの事件簿 ふたつの顔を持つ令嬢

Search
お気に入り

異形の王子と毒を吐く少女の恋の物語

4048700588

他人を寄せつけぬ毒を載せた言葉を吐いていた少女が、王子と伝承と出会ったことで、信じる思いを紡ぐようになる、その祈るような思いに涙しました。懐かしき人たちとの再会もまた素敵。→感想


それは血の繋がらない家族の物語。

4048700480

大きな山や谷があるようなお話しではないんだけれど、クセのある七人のきょうだいが共に暮らすその家には、じんわり温かい家庭がありました。それぞれ抱えているものはあるけれど、この家族ならきっと支え合いながら乗り越えてくれると信じてる→感想


それは「夢利き」が語る人の夢の物語。

夢の上(1) 翠輝晶・蒼輝晶 多崎礼

最高傑作級!辛くとも好きな人と共に歩める幸せ、あるいは人の夢に乗る幸せと切なさ。独立しながら、リンクする物語は、温かさに、人を想う気持ちに満ちあふれて、胸が熱くなる。人が人と出会うことの素晴らしさは、時に眩しくもあり、切なくもなるんだなと思いました。→感想


江戸時代。新たな暦を作る偉業を成し遂げた渋川春海の物語。

天地明察

最高傑作!碁打ちであり、算術家でもある男が、打ちのめされ挫折して挫折して挫折して、でも夢を忘れられず、立ち向かう姿に、どれほど興奮させられたか、泣かされたことか!さりげなく描かれる恋も素晴らしく、読み終わりたくないとこれほど思った作品はありません。 → 感想


左遷された北嶺で隠居生活を堪能しようとした史官ヤエトの前に、皇女が太守としてやってくるお話。

翼の帰る処 上 (1) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-1)翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)

中間管理職的苦労に悩まされるヤエトの姿がとても楽しいですが、それだけじゃなく、北嶺と帝国の歴史的秘密が見えてくる展開に興味を惹かれること請け合い!超オススメです!→上巻感想 / 下巻感想


普通の社会人であるこかげが、異世界の騒動に巻き込まれるお話。

wonder wonderful 上wonder wonderful 下

やさしさで涙する物語でした。あ、もう最高!王宮話やら恋愛要素やらも非常に楽しく、読み進めるにつれてゴロゴロ転がりまわりたくなること必至です!今年一番のオススメ!→感想 上/ 感想 下

なかのひと

Page Top