偽名を使って「探し屋」を始めたシャーロック・ホームズの妹、エノーラ。ところが、そこに“あの”ワトスン博士が「エノーラ・ホームズ探し」を依頼してきて!? 兄の影に不安を感じつつ、エノーラが初仕事に選んだのは失踪した準男爵令嬢セシリー探し。しかし、そんなエノーラにシャーロックの捜索の手が迫り…! 令嬢探しと、シャーロックとの推理合戦! 好評ビクトリアンミステリー第二弾登場!
ああ、楽しい。
シャーロック・ホームズの歳の離れた妹であるエノーラ・ホームズは、時代錯誤な兄たちの考え方に猛反発して家出をして、架空の人物を探偵に仕立て上げて、自分はその秘書という役割で探し屋の事務所を立ち上げたら、ワトソン博士がやってきて、シャーロック・ホームズの妹を探してほしいという依頼が舞い込んでくるんだから、さて、どうするのかといきなり引き込まれてしまいました。
ワトソン博士から兄の心配する姿を聞いて心を痛めつつも、白々しく依頼内容を聞いて、ついでに他のところで発生していた令嬢誘拐事件の噂話も聞き出してしまうんだから、したたかさっぷりににっこりしてしまう。
兄の捜索の手から逃れつつ、令嬢誘拐事件を調べて、変装しては真夜中に裏道で情報収集したりと、その行動力には脱帽ものですが、でも、時に寂しさや不安を覚えるところには、まだ十四歳の少女なんだよなあと思うところもあるんですよね。
一度思いっきり危険な目に合ったとき、シャーロックの元へ帰ればいいのにと思ったりもしたんですが、それでも奮起して、犯人捜しに立ち向かう辺りが、彼女の魅力なんだろうなあ。
令嬢誘拐事件では小ざかしい手を使って、家にもぐりこんだはいいものの、捜査に行き詰まり、論理的に考えようとしては躓いていくんですが、たったひとつの鍵から、スルスルっと手がかりをつかんでいくところは面白かったです。
最後にあのシャーロック・ホームズから一本取ったところも、思わずポンっと手を打つものがあって、にやりとさせられました。
いやあ、いいですね。だんだんと兄がエノーラのことを認めつつあるような気がして、ひょっとしたらいつか、兄妹の合同による探偵とかあったりするんじゃないかしらと思ってしまいます。想像するだけで楽しくなっちゃいますが、さて、どうなるのかしら。
エノーラ・ホームズの事件簿~ふたつの顔を持つ令嬢 (小学館ルルル文庫 ス 1-2)
ナンシー・スプリンガー
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Comment:2
- ジャラル 2008-07-09 (水) 12:05
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シャーロック・ホームズの妹が活躍する翻訳シリーズの2作目です。しかし、このシリーズではいかに女性がビクトリア時代は地位が低かったかを実感させられますね。まあ、それに我慢できなかった女性は今回の令嬢やエノーラやママさんのように家出するしかないんでしょうね。
時期的にいうとボチボチ、ホームズがモリアーティ教授と対決し行方不明になるはずですが、そうなったときエノーラはどう反応するのか楽しみです。
- deltazulu 2008-07-13 (日) 18:59
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時代が時代だけに、エノーラのような考え方の人たちは苦労したでしょうね。
> 時期的にいうとボチボチ、ホームズがモリアーティ教授と
> 対決し行方不明になるあ、もうそんな時期ですか。このあたりがどう絡んでくるのかは、シャーロキアンならずとも楽しみですね。続編が待ち遠しいです。







