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[宇津田晴] 珠華繚乱 天山に咲く華

「私は蓮祥が手ずから書いてくれた文ならば、内容などなんでも構わないと思っていた。だが……だがっ!初めての文がたった三行だけというのは、一体どういうことなんだ!?」
賢涼が驚いて文を見れば、色気も素っ気もない質素な料紙には、確かにたった三行だけ。
『これより山賊討伐のため天山へ遠征予定。幡国でも被害有りと聞く。要注意』という文面が、愛想のない走り書きのような文字で書かれていた……

男装した珠国の王女と、女装した幡国の嫡子が出会い、お互い元の姿で惹かれあうというシリーズの第二弾。今回は、それぞれの国に戻り、遠距離恋愛が始まろうとする最中、国境で暴れている盗賊退治を協力し合うことになるお話です。

ああ、人間関係が面白い。なんせ、珠国のみんなは、蓮祥が可愛くて可愛くてしょうがないと言わんばかりなんですから。父親、兄たちを筆頭に、「娘(or 妹 or 蓮祥さま)を幡国の男なんぞにお嫁にやるものか!」と、邪魔する姿が笑いを誘ってくれます。
娘が書いた恋文で鼻をかむ父親とか、恋仲である龍牙との時間をさりげなく邪魔する兄・祥達とか、ばかばかしいけど楽しかった。まあ、笑えるのは、蓮祥への愛情を感じるからなんだけど。

ただ、お話としては、非常にオーソドックスというか、特別何があるというわけではないので、どうしても盛り上がりに欠けるかなあ。途中で、蓮祥と龍牙の間に気持ちのすれ違いが生まれて……というのも、ちょっと強引な気がしました。わからなくもないけど、あの程度でギクシャクするかしら。

とはいえ、そのギクシャクの原因となった「珠国の王族の立場」が見えてくるにつれて、龍牙が自国の嫡子としての立場を、改めて思い返すところとかは、とても良かったです。今はまだ未熟かもしれないけれど、彼ならきっと立派に治めてくれるんじゃないかと、そう思えるものがありました。
あとは、蓮祥との仲だけですね!

てっきり今回で決着がつくのかと思ったら、まだ続く模様。例の人の動きが見えないだけに、どうなるのか気になりますね。

珠華繚乱―天山に咲く華 (ルルル文庫) - 宇津田 晴

珠華繚乱~天山に咲く華
宇津田 晴

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