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[タモラ・ピアス] サークル・マジック ダジャと炎の絆

「まさか、交易の民に戻りたくないの?」
タジャは乾いた地面の砂を蹴って「もちろん、戻りたい」と反射的に答えた。
「でも、交易の民と職人の両方にはなれないんだよね、絶対に」

好奇心旺盛な貴族の娘・サンドリ、交易の民・タジャ、元こそ泥少年のブライアー、周囲で奇妙な現象が起こるため孤立した少女・トリスの四人の少年少女が、魔法使いニコに見出されて、ワインディング・サークル学院で成長していくシリーズの第三弾。今回は、タジャが作り上げた工芸品を、タジャを追放した「交易の民」が買い取りたいと言い出して……というお話。

個人的には、四人の中では一番落ち着いてる印象のあったタジャでしたが、実は大いに悩める女の子だったんですね。そうだよなあ、「追放されし者」なんだもんなあ。交易の民がタジャをどのように扱っているか目の当たりにして、驚きました。仕方ないと思いながらグッと我慢するタジャの様子には切ないものがありましたけど、代わりに怒ってくれる友人がいてくれたのは、タジャにとって大きな支えになったと思います。四人の絆が見えるたびに、思わず微笑んでしまう僕がいる。

それでも、交易の民と普通に接してみたいという気持ちは……やっぱり、差別を受けていたからこその思いなんだろうなあ。混ざり合った魔法の混乱する出来事とともに、タジャの揺れる思いがとても気になる展開でした。

個人的に好きだったのは、タジャの作品を手に入れるため、交渉にやってきたポリアムとの交流ですね。はじめは「追放されし者」であるタジャを禁忌として触れていたのに、心を許しあうようになっていくやり取りが素敵です。「正式な取引」のシーンは、ポリアムが無理してるのかと思っていたら、ひょっとしたら……と思わせる描写があったりして、こちらまで嬉しくなったなあ。お互い、少しずつ信頼を得ていったからこそ、最後の「友だち」には、じんわり。

いやあ、面白かった。やっぱりこの四人はいいなあ。時々、八つ当たりをしたりするけれど、お互いへの信頼を感じますよね。201ページのイラストとか、まさにそう思います。
魔法が混ざり合ってしまったおかげで、一時的に魔法が使えなくなり、自分たちを見つめなおす時間を得たことは、きっと更なる成長を促してくれるでしょう。先生たちの指導もいいし、健やかに伸びていってほしいですね。

次で最後だってのが非常に残念だなあ。でも、楽しみに待ってたいです。

サークル・マジック~ダジャと炎の絆 (小学館ルルル文庫 ピ 1-3) - タモラ・ピアス

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タモラ・ピアス

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