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[タモラ・ピアス] サークル・マジック トリスと稲妻の矢

「やはり海賊だ……」
ローズソーンはため息をつきながら言った。
「海賊たちが港にいるなら、ここには来ないわ」サンドリはローズソーンに言い返した。
「そうでしょ?」
「海賊たちがここまで来なくても、薬は戦うものには必要なのさ。もし海賊たちが港の防御を突破したら……」

好奇心旺盛な貴族の娘・サンドリ、交易の民・タジャ、元こそ泥少年のブライアー、周囲で奇妙な現象が起こるため孤立した少女・トリスの四人の少年少女が、魔法使いニコに見出されて、ワインディング・サークル学院で成長していくシリーズの第二弾。今回は、四人が魔法を習い始めたとき、先日の大地震の影響が色濃く残っている島に向かって、海賊船が姿を見せ初めて……というお話。

これはほんと面白かったなあ。
前作で、仲間という意識を持ち始めた四人が、さらにお互いの信頼を深めていって。時に衝突しあうこともあるんだけど、むしろ、道を誤りそうになったとき、怒ってくれる仲間がいるってのはいいですよね。

それにしても、今回のお話は、子供たちからしたらハードな展開でしたね。戦というのを目の当たりにしたら、いくら力があっても、怯えてしまうのはわかります。それでも、補修に向かうタジャ、包帯を編むサンドリなどなど、それぞれがまず自分のできることを一生懸命にやっていく姿が、とてもよかった。

これならなんとか……なんて、そんな甘く終わるわけはなく、徐々に海賊船の影が近づいてくるところには、さあ、どうなる?とわくわくドキドキで、ページをめくる手が止められませんでした。

四人の成長もさることながら、少年少女を支える先生たちも、いい味出してますよね。なまじ四人がそろうと大きな力を生み出してしまうことから、その危険性を説いても、やっぱり子供なので、気づけば夢中になって、大変なことになってしまうから、大人たちもハラハラしただろうなあ。
心配はしてても、自分たちのできることをやろうとする子供たちの心意気に打たれて力を貸す大人たちの姿も、また良かったです。四人の子供たちと、それを支える師匠がずらりと並ぶ297ページのイラストが、とても印象的でした。

いやあ、面白かった!
仲間への信頼もさることながら、自分の仕出かしたことの大きさを痛感していくところをちゃんと描いてるのもいいんだなあ。ちゃんと後悔して、ちゃんと謝って、自分は何をしていくべきかということを、見出していく子供たちの姿が、とても素敵でした。
次なるお話は秋に出るそうですが、一巻がサンドリ、二巻がトリスときてるので、さて次は誰が主役になるのか、楽しみです。

サークル・マジック~トリスと稲妻の矢 (小学館ルルル文庫 ピ 1-2) - タモラ・ピアス

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