(王宮を家出して、付いてきた?)
ラジャール騎士団の面々は、ルキオの話を聞いて頭を抱えた。フェザンたちを放り出していくわけには行かず、さりとて目的地へと連れて行かねば、行方をくらますかもしれない。ならばいっそのことと、三羽烏のひとりロスザーンは、現在の任務、ダヴィド皇子のニウマ皇国訪問に、フェザンたちを連れて行くことを提案したが……
眠りの世界に囚われた父を救うために、王子のフェザンと不思議な力を要するアンジュが、吟遊詩人の歌に登場するエル・デオを目指すお話の第三弾。今回は、西クリセニアンにたどり着いた二人が、知り合いの騎士団一行と、エル・デオがあるとされるニウマ皇国の首都フォレ・ニウマを目指すお話です。
あー、なんていうか、周囲の人たち、ご苦労様ですって感じのお話でしたね。わがままで快楽大好きなダヴィド皇子のお守りだけでも大変だろうに、エルミネールの王子殿下の面倒まで見なきゃいけないんですから。ああ、ラジャール騎士団の三羽烏に幸アレ。
そんな大人の事情を気にせず、マイペースというか、他人の悪意をあまり感じ無そうなフェザンの行動は、ほんと危なっかしいったらないです。そりゃ打ち明けられないことがあるのもわかるけど、突っ走るなよと思うところで突っ走ってくれちゃうからイライラ。いっそ、ダヴィド皇子に、と思ったとは言わないよ?
そういえば、この物語って、美男子ばっかり出てきて、妖しい仕草のシーンは多いのに、直接手を出してくる人は、ダヴィド皇子が初めてだったなあ。
前作だけなら、フェザンたちよりも落ち着いてると思ってたシェラダン皇子も、なんで!と思うような行動を突発的に引き起こしてくれて、子供たちが自体をいろいろかき混ぜてくれるところばかりが、印象に残りました。
大人たちがやきもきしてる間に、こっそりと新たな情報を仕入れたりするあたり、子供たちのたくましさを感じますが、ここでまたひとつ「夢」でつながった人と出会えたのは大きな収穫でしたね。また美しい男の子でしたけど、それはおいといて、妹の話もさることながら、ニウマ皇国の皇帝や皇女の話など、何やらきな臭いがするなあ。それ以上に、彼自身が何者なのかも気になるところ。
ようやくたどり着いたとはいえ、ここからが本番とも言うべきところだし、魔法ということになれば、後ろから追っかけてきてるエステニアも頼りになるだろうから、まずは合流してほしいなあ……って、結構差がついてるか?
謎に近づいたことで、危険にも近づいたということを感じさせる「夢」の出来事と、どこかに味方がいるのかわからない場所だけに、どういう展開になっていくのか気になるところです。
西方の夢に棲む姫君 クリセニアン夢語り 3
ひかわ 玲子
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